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1945年EMI(当時の英コロンビア)の芸術部長W.レッグによって創設。
その後R.シュトラウス、カラヤン、トスカニーニ、フルトヴェングラー等の巨匠を指揮者に招き、その名演と共にフィルハーモニア管は一躍欧州楽壇の注目の的となった。特にカラヤンとは多くの録音を残し、欧米各地に演奏旅行も行った。その後クレンペラー、ムーティ、シノーポリが首席指揮者となり、90年のシノーポリとフィルハーモニア管の来日公演、及び2007年は東京芸術劇場で『マーラー・チクルス』を行なった。1997年にドホナーニが首席指揮者に就任。現在はドホナーニの他、アシュケナージが桂冠指揮者、クルト・ザンデルリングが名誉指揮者となっている。
1955年ショパン国際ピアノコンクール2位、翌年エリーザベト王妃国際音楽コンクール及び1962年チャイコフスキー国際コンクール優勝という輝かしい経歴をもち、今日まで世界最高峰のピアニストとして活躍すると同時に1970年以降は指揮者としても世界中で活躍している。ロイヤル・フィル及びベルリン・ドイツ響首席指揮者・音楽監督等を歴任した後、2004年NHK交響楽団音楽監督に就任。また、ベルリン・フィル、ロイヤル・コンセルトヘボウ管ほか欧米の一流オーケストラに客演。現在フィルハーモニア管弦楽団及びアイスランド管弦楽団桂冠指揮者、N響桂冠指揮者、EUユースオーケストラ音楽監督。
1990年最年少でチャイコフスキー国際コンクール優勝。91年秋からニューヨークへ留学し、日本での演奏活動を休止。95年アンドレ・プレヴィン指揮NHK交響楽団定期演奏会で日本での演奏活動を再開。その後小澤征爾指揮ボストン響及びカーネギーホール演奏会をはじめ、ニューヨーク・フィル、ピッツバーグ響、フィラデルフィア管、パリ管、ベルリン・フィル、フィルハーモニア管ほか、欧米の名門オーケストラと多数共演。フィリップス・クラシックスより11枚のCDをリリースしている。著書に「ヴァイオリンと翔る」(NHK出版)。使用楽器は、日本音楽財団より貸与された1714年製作のストラディヴァリウス「ドルフィン」。
我が国においてもっとも著名な音楽家の一人がアシュケナージである。世界屈指の名ピアニストとして初来日したのが1965年だったが、以来、来日を重ねてピアノ界刷新劇をリードしてきたし、1980年代からは指揮者としても頭角を著わし、たちまち現代屈指のマエストロとなった。
またN響の音楽監督として活躍した実績も特筆され、アシュケナージは幅広いレパートリーで温かい人間性と熱い情熱をみなきらせた演奏で聴衆を魅了してきた。さらに日本の音楽家たちや学生あるいは子供たちと交流を深めて、その飾らない優しい人柄と音楽に命をかけた生き方の凄まじさ、その両サイドを見せてきた辺りも忘れることのできない実績というべきであろう。
昨年アシュケナージはN響を去ったが、かつての古巣で、彼が桂冠指揮者を務めるイギリスのフィルハーモニア管弦楽団との来日公演が12月に行なわれる。1937年生まれのアシュケナージは今や円熟のマエストロであり、持ち前の才能に加えて経験の豊かさが加味された近年の演奏の数々は文字通り他では聴くことのできない至芸となっているだけに今回の公演は聴き逃せない。
プログラムは東京芸術劇場でのコンサートが、ブラームスの交響曲第1番を中心としたもの、サントリーホールでの演奏会がチャイコフスキーの交響曲第4番を中心としたものの二種である。アシュケナージが得意とする作品ばかりであり、マエストロの現在を存分に堪能するまたとない機会になろう。
また両コンサートに諏訪内晶子が登場、メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲を弾くのも注目される。一つ一つの演奏会を最大限の情熱と初々しい感受性をもって臨み、二つとない感動体験に誘ってきたソリストが名曲中の名曲をどのように再現してくれるのか興味は尽きない。
円熟のアシュケナージ、輝きのソリスト、そしてイギリス屈指の名門オーケストラが手を組んで作り出す新たな感動空間である。