Fujitsu The Possibilities are Infinite

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富士通コンサートシリーズ
フランクフルト放送交響楽団

出演アーティスト

フランクフルト放送交響楽団/hr-sinfonieorchester Frankfurt Radio-Symphony Orchestra

1929年の創立。初代指揮者はハンス・ロスバウト。1974年から90年の間、エリアフ・インバルが首席指揮者務め、特にマーラー交響曲全曲の録音は、世界的にも高く評価され、ドイツの名門放送交響楽団としての地位を確固たるものとした。(インバルは1996年、名誉指揮者に選ばれている。)その後ドミトリ・キタエンコ、ヒュー・ウォルフを経て、2006年9月、気鋭の指揮者パーヴォ・ヤルヴィが首席指揮者のポストに就任し、今後の活動が大変注目されている。

パーヴォ・ヤルヴィ (首席指揮者)/Paavo Järvi  (Chief Conductor)

エストニアの首都タリン生まれ。1980年渡米。カーティス音楽院に学び、ロサンジェルスではバーンスタインに師事。ロイヤル・ストックホルム・フィル、及びバーミンガム市響で首席客演指揮者を歴任した後、2001年からシンシナティ交響楽団の音楽監督を務め、その契約は2008年~2009年のシーズンまで延長された。

2006年よりフランクフルト放送響の首席指揮者となり、熱い注目を集めている。現在はドイツ・カンマー・フィルの芸術監督、及びエストニア国立響の芸術顧問も務めている。2009年~2010年のシーズンから名門パリ管弦楽団の首席指揮者に就任が決まっている。

エレーヌ・グリモー (ピアノ)/Hélène Grimaud (Piano)

1969年フランスのエクサン・プロヴァンス生まれ。13歳でパリ音楽院に入学し、ジャック・ルヴィエに師事。1987年パリでデビューリサイタルを行なった一週間後、バレンボイム指揮パリ管弦楽団と共演。その後、世界の一流オーケストラとの共演、ヨーロッパ、北米、日本等各地でのリサイタル、音楽祭に出演。特にギドン・クレーメルが音楽監督を務めるロッケンハウス音楽祭には度々出演し、クレーメル、アルゲリッチ等と共演している。1991年アメリカに移住。その後もベルリン・フィル、コンセルトヘボウ管、フィラデルフィア管、チェコ・フィル、フィルハーモニア管等と共演を重ねる。2002年よりドイツ・グラモフォンと専属契約を結んだ。

森 麻季 (ソプラノ)/Maki Mori (Soprano)

東京藝術大学、同大学院修了。高丈二氏に師事。文化庁オペラ研修所修了後、ミラノとミュンヘンに留学。プラシド・ドミンゴ世界オペラコンテスト優勝を始め、国内外のコンクール上位入賞多数。出光音楽賞、ワシントン賞、安宅賞等受賞。ドミンゴに認められ、ワシントン・ナショナル・オペラでアメリカ・デビュー。後にワシントンとロサンゼルス・オペラで、ドミンゴ、アラ-ニャ等と共演。コロラトゥーラの類稀なる技術と透明感のある美声、深い音楽性は各方面より絶賛され、2007年ドレスデン国立歌劇場に「ばらの騎士」のゾフィー役でデビューを飾る。同歌劇場日本公演にも出演。CDは3枚エイベックス・クラシックスよりリリースされている。二期会会員。


解説/奥田佳道(音楽評論家)

パーヴォの時代、到来!

パーヴォ・ヤルヴィの時代が来た。パーヴォの前に「創造の喜びを分ち合う名匠」「鮮烈な楽の音を愛でるマエストロ」「魔境を創出する現代のカリスマ」という賛辞を連ねてもいい。

誉め言葉が上滑りしている?いやそんなことはない。先日、ドイツ・ラインガウ音楽祭2007で収録されたマーラーの交響曲第3番をNHK・FMの放送スタジオで耳にし、祈りと舞いの美学を掲げたパーヴォの怜悧にしてエレガントな音楽観、そして彼の「新しいオーケストラ」の多彩な技と表現力にあらためて驚嘆した。ソロの旨味や気宇壮大な音響はもちろんのこと、変幻する妖しいまでの音色に酔いしれた。

彼の「新しい音楽仲間」、それが構えの大きな楽曲で燃える名門フランクフルト放送交響楽団である。2006年秋、パーヴォ・ヤルヴィは、インバル、キタエンコ、ウルフによってリレーされてきた同(ヘッセン)放送響のシェフに就任。地元のみならず、このコンビはただちにロンドン、そしてアムステルダムのコンセルトヘボウの客席を沸かせた。機能性を誇る放送オーケストラに、さらなる深み、輝きが添えられたからに他ならない。パーヴォ自身はパリ(2010年からパリ管弦楽団の音楽監督に就任)、ロンドン、ドイツの楽都、北米(のメジャーオーケストラ)、そして故郷エストニアの首都タリンでも圧倒的な人気を誇る。いっぽう2006年11月にはウィーン・フィルへのデビューも果たした。

日本での喝采はここでお話するまでもない。1995年秋、東京交響楽団の招きで初めて日本を訪れて以来、同響、NHK響と度々共演。音楽監督をつとめる米シンシナティ交響楽団とのツアーではユンディ・リとも顔を合わせた。そして2006年、2007年はピリオドとモダンの流儀を併せ持つドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメンと現代最高峰のベートーヴェンを披露。ノーブルな高揚も魅力となるパーヴォへの関心は依然高まった。そして……。

フランクフルト放送響との、逃げも隠れもしない、奇をてらわない「美しい」プログラムを見よ。大河の趣をもつブルックナーの交響曲第7番、現世と彼岸を見つめたマーラーの烈しくも清らかな交響曲第9番を通じ、私たちは今までとは違うパーヴォの「すごみ」を体感することになるのではないか。「皇帝」の哲学や自然観にも想いを寄せる鍵盤の才女グリモー、そしてリヒャルト・シュトラウス歌曲芸術の夕映えに挑む森麻季も、パーヴォ・ヤルヴィとフランクフルト放送響の交歓に、きっと触発される。さあ心躍るライヴへ。