毎回人気のこのコンサートですが、今回も大入り満員、立ち見まで出る大盛況でした。
人気の理由はたくさん有ると思いますが、まずは一回のコンサートで一度に10人もの素晴らしいジャズ・ピアニスト達が聴けるという他には無い企画、スタイルや世代の違う人気ピアニストを聴きながらスタンダード曲を満喫できるということが第一番。そして生音の良さを大切にしているのでジャズピアノに興味のあるクラシック・ファンの支持も得ていて、内容的にもソロ、連弾、ピアノ二台のデュオ、ドラムスとベースが加わったトリオなど様々な編成も楽しめる・・・等々。
とにかくジャズピアノの楽しさを心行くまで存分に満喫できる唯一無二のコンサートではないでしょうか。
まずは出演者全員がステージに登場、最年長になるジュニア・マンスの司会でコンサートが始まりました。
一番手はダド・モロニで、ベースとドラムスを加えて彼が選んだ曲は「ボラ−レ」・・・な〜るほど、イタリア生まれですもんねぇ(笑)。左手が4ビートを刻み、ちょっとエロル・ガーナー、ジョージ・シアリングを感じさせるところもあり、心地よいスイング感の快演でした。
ダドにベニ−・グリーンが加わっての「リカード・ボサノバ」は遅めのテンポでエレガントに。
続いてのベニ−のソロ「アズ・ロング・アズ・アイ・リブ」ではストライド奏法に左手の十度を多用するという正にジャズピアノの真髄が聴けました。2001年のアルバム「グリーンズ・ブルース」でもこのスタイルでの彼の素晴らしいソロが聴けます。
ケニー・バロンは「ウィル・ビー・トゥギャザー・アゲイン」をミディアム・スロー・テンポで。歌心一杯の限りなく美しいソロでした。そしてトリオではスインギーにコール・ポーターの名曲「ナイト・アンド・デイ」を。
エリック・リードはトリオで「ゼアズ・ア・スモール・ホテル」を演った後、お茶目な巨漢(笑)サイラス・チェスナットとのデュオでゴスペル曲「パワー・イン・ザ・ブラッド」をラグタイム・スタイルで。パワー全開の熱いプレイで大いに観客を沸かせました。エリックの父親が牧師で彼自身も幼少時からゴスペル・ピアノを弾いていたらしく、またサイラスのルーツも黒人教会音楽という事もあって、正に本物でした。
続くサイラスのソロ「バークリー・スクエアのナイチンゲール」は一転してデリケートな演奏・・・心地よい余韻で前半が終了。
後半のトップ、紅一点の秋吉敏子さんはエレガントな黒いドレスで登場。力強いハード・バップ・スタイルは健在で、オーケストラを解散してピアノに打ち込んでいる様子がうかがえました。ソロでは、以前の彼女と同じくバンド・リーダーで作曲家・ピアニストであるデューク・エリントンのバラード「ソフィスケイテッド・レディ」を披露。
ドン・フリードマンはコール・ポーターの「アイ・コンセントレイト・オン・ユー」をボサノバ・スタイルで。シダー・ウォルトンとのデュオでは「ライク・サムワン・イン・ラブ」、続いてシダーがソロで「ダーン・ザット・ドリーム」・・・いずれもジミー・ヴァン・ヒューゼンの名曲で、二人の円熟した演奏は流石にベテランの深い味わい。
ステージも佳境に入り、ジュニア・マンスがソロでエリントン・ナンバーをしみじみと弾いた後、レイ・ブライアントはポーターの「イージー・トゥ・ラブ」を。楽曲の美しさに加えてコード・ワークもビューティフル。そしてジュニアとレイのデュオに・・・このコンサートで生まれた名物コンビで『ブルース・ブラザーズ』という異名をもつこの二人にはやっぱりブルースがピッタリ。二人合わせて150歳を超えているとは思えない元気で楽しい演奏でした。
鳴り止まないアンコール拍手の中、再びレイのソロで彼の人気作に収録されている「ゴールデン・イヤリングス」・・・マレーネ・ディートリッヒ主演映画の主題歌でペギー・リーの名唱でも有名ですが、バース代わりに何と「よさこい節」が出てきてビックリ! 思わず会場に笑みがこぼれました。
クライマックスは10人のピアニスト勢ぞろいで恒例の「A列車で行こう」。会場もクラップ・ハンドで一体となって大盛り上がり!
10人が順番にワン・コーラスずつソロをとっていくところではジャム・セッションの気分も味わえて、大満足なコンサートでした。
最後に、この「富士通スペシャル100 GOLD FINGERS」では忘れてはいけない存在のべーシストのボブ・クランショウとドラマーのグラディ・テイト。相変わらずの見事なサポートぶりでしたが、この二人がサイドメンではなく「スペシャル・ゲスト」とクレジットされていることでも、いかに彼らが素晴らしいプレイヤーかが分かります。
僕自身がボブ・クランショウを初めて意識して聴いたのはリー・モーガンの「ザ・サイドワインダー」ですが、ソニー・ロリンズのグループに参加していることでも有名です。
ドラマーのグラディは今回で参加が6回目ですが、このコンサートのように10人もの色々なスタイルをサポートし、ましてやピアノ・トリオで最小限のマイクというシチュエーションでは特に繊細なドラミングのセンスと技量が必要です。経験豊富なグラディの名人芸が光っていました。
今回で9回目を迎えた「富士通スペシャル100 GOLD FINGERS」でしたが、日本は文化・芸術に関しては意識が低いと言われる中、このような質の高いコンサートが今後も続くことを心から願ってやみません。
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97年以降リーダー・アルバムは8作、最新作「Swingin’Always」(6月20日発売予定)を含む3作は『スイングジャーナル選定ゴールドディスク』を獲得。
99年に自己のトリオでアメリカの『富士通コンコード・ジャズ・フェスティバル』に出演。03年にはロシア各地で親善公演を行って
大好評を博し、04年にアンコール公演も実現。毎週水曜夜に放送中のNHKラジオ第一放送「ときめきJAZZ喫茶」(藤岡琢也氏と浅井慎
平氏がパーソナリティ)ではオープニングとエンディング・テーマの作曲を担当。近年のスイングジャーナル誌の読者人気投票でも常
に上位にランキング・イン。
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Volare |
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ダド・モロニ |
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| 2. |
Recado Bossa Nova |
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ダド・モロニ / ベニー・グリーン |
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| 3. |
As Long As I Live |
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ベニー・グリーン |
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| 4. |
We'll Be Together Again |
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ケニー・バロン |
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| 5. |
Night And Day |
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ケニー・バロン |
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| 6. |
There's A Small Hotel |
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エリック・リード |
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| 7. |
Power In The Blood |
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エリック・リード / サイラス・チェスナット |
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| 8. |
A Nightingale Song In Berkley
Squere |
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サイラス・チェスナット |
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| 9. |
Lady Liberty |
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秋吉 敏子 |
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| 10. |
Sophisticated Lady |
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秋吉 敏子 |
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| 11. |
I Concentrate On You |
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ドン・フリードマン |
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| 12. |
Like Someone In Love |
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ドン・フリードマン / シダー・ウォルトン |
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| 13. |
Darn That Dream |
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シダー・ウォルトン |
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| 14. |
In A Sentimental Mood |
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ジュニア・マンス |
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| 15. |
Mood Indigo |
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ジュニア・マンス |
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| 16. |
Easy To Love |
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レイ・ブライアント |
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| 17. |
Hamps Boogie |
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ジュニア・マンス / レイ・ブライアント |
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| 18. |
Slow Freight |
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ジュニア・マンス / レイ・ブライアント |
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| -Encore- |
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| 19. |
Yosakoi-bushi〜Golden Earrings |
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レイ・ブライアント |
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| 20. |
Take The “A” Train |
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レイ・ブライアント〜オールメンバー |
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