掲載媒体:日本経済新聞
掲載日:2000年9月22日
写真は、アラスカ州ポーカーフラットの観測所、サイエンス・オペレーションズ・センター付近でとらえたオーロラです。針葉樹に囲まれ、1年のほぼ半分を雪に閉ざされるこの地は、南極沿岸部と同程度の高緯度に位置しながらも生活圏が近く、古くからオーロラをはじめとする地球科学の調査・観測が行われてきました。環境変動の解明をテーマに日米共同で進められている<アラスカプロジェクト>も、その一環です。(写真提供:毛利勝廣)
北極に近いアラスカの空には、しばしば宇宙のエネルギーがもたらす幻想的な光の模様が描かれます。
このオーロラの名所は、太陽活動の影響が大きく、地球環境の変動がさまざまなカタチで現れやすい場所。オーロラをはじめとした多くの宇宙の謎を探る上でも、オゾン層の破壊や温暖化など、いま地球が瀕している深刻な環境問題の研究を行う上でも、重要な地点のひとつとされています。
<アラスカプロジェクト>は、極域における環境の変動メカニズムの解明をテーマに、電波・光の研究で高い実績をあげている郵政省通信総合研究所(CRL)と古くからオーロラ研究の中心的役割を果たしてきた米国アラスカ大学が共同して、1993年、アラスカ州ポーカーフラットの地でスタート。大気環境計測の技術開発、リモートセンシング(遠隔探査)を活用した観測・研究を行っています。
ここで収集された中層大気(上空10~100km)の観測データは、富士通の先進技術を核とした中層大気環境データ処理ネットワークシステム<SALMON>により、日本のCRLへ迅速確実に転送、ほぼリアルタイムで解析処理が施され、調査・研究に役立てられています。
この秋には、インターネットによる公開を予定。準備が進められています。将来的には、複数の観測地や人工衛星などを結んだ地球レベルでのネットワークを構築し、そこから得られるさまざまなデータの融合による、さらに高度な地球環境観測への取り組みも検討されています。
これからの地球を考えるために、地球のことをもっと知る。富士通の最先端技術は、見えないところで、今日も働き続けています。
大気の成分濃度、浮遊粒子、成層圏オゾンの分布、気象情報、オーロラなど、ポーカーフラット実験場で収集された膨大なデータは、高速ネットワークを経て、日本の通信総合研究所(CRL)へ転送。それぞれに中層大気環境データ処理ネットワークシステム<SALMON>で解析処理が施され、調査・研究に役立てられています。富士通は、通信インフラはもちろん、<SALMON>の中枢をなすコンピュータ、ソフトウェアなどの開発からシステム構築、メンテナンスまでを担当。地球環境の解明を先端技術で支えています。