掲載媒体:日本経済新聞
掲載日:2000年4月27日
木津川の下流、京都府八幡市にかかる通称「流れ橋」上津屋橋は、水位が上がると橋桁が浮いて流れ出し、水が引いた後、繋留していたワイヤーを引き戻して復旧できるようになっています。暴れ川で名高い木津川の氾濫時におこる莫大な被害に対して、昭和はじめの人々の知恵によってつくられました。現在では、富士通の河川情報システムとダム管理システムが木津川の安全を見守っています。
木津川は、三重県布引山脈に源流をなし、京都淀川にそそぐ、一級河川です。山々に降り注ぐ雨を集め縫うように流れるその支流は水量が多く、かつては氾濫することも少なくありませんでした。明治以来、河川改修を重ねるとともに、洪水時に川の流れに支障をあたえない「流れ橋」を生みだし、暴れ川に対処してきました。
いまでは、大雨による水量の増加で洪水を招かないよう、木津川上流に5つのダムを設置。一時的に水をためながら、安全な流量に調整して放流することによって流域の安全を守っています。
そこで重要なのが、河川の状態や気象状況を的確に把握しておくこと。各ダムの水位・雨量情報は、木津川ダム総合管理所にオンラインで送られ、そこに設けられた富士通の河川情報システムで統合、画面データや帳票に編集・管理されます。同時に、気象情報とレーダー雨量計から得られる予測データなどをもとにダム放流制御を実施。ダム機能をフルに生かすことで河川の氾濫を未然に防いでいます。
また木津川をはじめ全国の河川情報は、建設省を経由し、財団法人河川情報センターに集められデータ編集処理された上、各地方の自治体などに提供され、水害対策にも役立てられています。かつては洪水のたびに流されていた「流れ橋」も、次第に流されることが少なくなりました。
木津川を「暴れ川」から変えたもの。安心をつくる仕事。富士通の情報システムは、見えないところで今日も働き続けています。
木津川上流5つのダムの水位・放流量・雨量情報は、LAN/WAN等のネットワーク技術を介し、オンラインで木津川ダム総合管理所に送信されます。各情報は、河川情報システムで統合され、わかりやすい画像データや帳票として迅速に処理。そのデータは、レーダー雨量・気象情報・警報表示とともに高精細大型液晶プロジェクターに、必要に応じて表示されます。さらにこの多角的なデータをもとにダム管理システムによって最適な放流量が決定されています。河川の安全を守るハイテク。富士通の最新技術が日本中のダムで活躍しています。