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「お客様とともに夢をかたちに」富士通導入事例レポート

対談 秋田大学医学部附属病院


CT、MRI画像を、ワンクリックで専門医へ。 地域医療に貢献する遠隔画像診断! 〈秋田大学医学部附属病院〉が、県内の市立病院の依頼を受けて行う読影、診断。専門医の負担を軽減したのは、富士通の「電子カルテ」を利用した「遠隔画像診断システム」でした。
背景
放射線科医の業務負担を軽減すべく   遠隔画像診断システムの構築に着手


経緯
通常の業務端末での遠隔読影が可能に   所見を記したレポートも自動的に送信


効果
「セカンドオピニオン機能」を新たに追加   医療品質の向上を目指し、今後も様々な活動を展開



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放射線科医の業務負担を軽減すべく
遠隔画像診断システムの構築に着手


――

本日は秋田大学医学部附属病院にお話を伺います。こちらの病院は、秋田県内で唯一の特定機能病院(注)だと伺いましたが。
注)特定機能病院:一般の診療機関では困難な先進高度医療の提供・開発を行う病院。厚生労働大臣による承認が必要であり、診療科や病床数、医師・看護師数など一定の条件を満たす必要がある。



近藤 氏

その通りです。秋田県の県立病院としては、リハビリテーション・精神医療センターと脳血管研究センターの2施設がありますが、どちらもいわゆる総合病院ではないため、当院が県内唯一の特定機能病院になります。もちろん、県内や秋田市内には他にも中核病院の役割を担っている総合病院がありますので、そうした医療機関とも連携しながら医療サービスを提供しています。



――

先進医療にも積極的に取り組んでおられると伺っています。



近藤 氏

大学病院には、医療に携わる人材の育成と、高度で先進的な医療の提供という二つの役割が課せられていますから、各診療科ごとに重点診療項目を掲げるなど、様々な取り組みを行っています。たとえば、腎臓移植については、全国の国立大学病院の中でも有数の成績をあげています。



――

最近では医療のIT化も進んでいると聞きます。こちらではいつ頃から取り組みを始められたのですか。



近藤 克幸 教授 秋田大学医学部附属病院 医療情報部 部長
高橋 聡 氏 秋田大学医学部附属病院 放射線科 講師

近藤 氏

1980年代初頭に、会計業務のシステム化を図ったのが最初です。それ以降、医師が投薬や検査の指示を行うオーダリングシステムや、看護システム、電子カルテシステムなど、様々な業務システムを段階的に導入し、システム間の連携も図ってきました。



――

私はあまり医療システムに詳しくないので教えて頂きたいのですが、そもそも電子カルテとはどのような働きをするシステムなのですか。



近藤 氏

ひとことで言うと、カルテを電子化したもの、ということになりますが、実は電子カルテシステムの定義付けについては、少々難しい面があります。というのも、実際の診療業務では、先に述べたオーダリングシステムや会計システムなど、様々なシステムがつながってきます。このため、どこからどこまでが電子カルテだという線引きがしにくいんですね。患者の診療情報を院内の各部門でシームレスに活用し、適切な医療を提供するためのシステムだとお考え頂ければ良いのではないでしょうか。電子カルテを見れば、過去にどういう治療を受けたかとか、これからどういう検査をするかとか、そうした情報がすべて分かります。



――

なるほど。そうした仕組みがあれば、病気になった際にも安心して治療が受けられますね。ところで今回、横手市立大森病院との間で、電子カルテと画像診断システムを利用した遠隔画像診断システムを構築されたと伺いました。これにはどのような理由があったのですか。



近藤 氏

診療の際にはCTやMRIなどの画像撮影装置を利用する場合がありますが、放射線科医のいない医療機関などでは、読影、つまり検査画像の診断やレポート作成を専門医に行ってもらいたいという要望が少なくありません。画像診断のエキスパートである専門医の所見は、治療を行う上で大いに役立つからです。当院でも、放射線科医の画像診断医を定期的に派遣するなどして、各医療機関のニーズに応えてきました。
しかし、専門医が何百人もいるわけではないため、対応にもおのずと限界がありました。また、読影を行う医師にとっても、遠隔地の医療機関に頻繁に出向くのは大きな負担です。そこで、こうした課題を解消する方法として、遠隔画像診断システムの構築に踏み切ったのです。





通常の業務端末での遠隔読影が可能に
所見を記したレポートも自動的に送信


――

遠隔画像診断システムを構築する以前の業務について、もう少し詳しく教えて頂きたいのですが。



高橋 氏

一週間に一度くらいのペースで、各地の医療機関まで出かけていました。一口に秋田県内と言っても、距離がかなり離れている場合もありますし、冬場は雪の降る中、自動車を運転していくのも神経を使います。そこは少々大変でしたね。また、それ以外にも、他の医療機関からまとめて送られてきた画像を、大学病院の診療時間が終わった後に、読影することもありました。



――

それでは残業も増えてしまいますね。今回構築したシステムでは、どのような形で診断依頼や読影を行うようになったのですか。



近藤 氏

まず、大森病院側の画像システムと連携している端末では、読影を依頼したい検査をクリックします。すると、画像診断システム上の画像と、この部分を診断して欲しいといった依頼情報が自動的に一つのデータにまとめられ、当院に設置された連携サーバにネットワーク経由で送信されます。
連携サーバではこのデータをまた別々に分け、画像は画像診断システム、依頼情報はレポートシステムに送ります。後は高橋先生をはじめとする先生方が画像を読影し、所見をレポートシステムに入力します。すると、このデータがまた送信され、大森病院側の電子カルテシステムでレポートが読めるというわけです。



――

診断依頼から読影、レポートの作成、参照までの一連の業務が、すべてシステム上で行えるようになったのですね。こうした仕組みを実現する上で、何か目指された点などはありましたか。



近藤 氏

とにかく、先生方には面倒な手間を掛けないということですね。よくありがちなのが、診断依頼やデータの送受信、レポート作成などに、それぞれ別々の専用システムを用意して、人間が用途ごとに使い分けるというパターンです。しかし、これでは、データの入力間違いや操作ミスなどが起きる可能性があります。しかも、そもそも忙しくて人手が足りないからシステム化しようと言っているのに、先生方に新しい端末の操作を習得してもらったりするのでは意味がありません。そこで、今回の遠隔画像診断システムでは、使い勝手と自動化にとことんこだわり、先生方が特別な意識を持つことなくシステムを利用できるようにしたいと思いました。




高橋 氏

たとえば、私が大森病院の読影を行う場合も、通常の院内業務と特に変わった点があるわけではありません。普段から利用している画像診断システムの画面に、大森病院の項目が一行加わっただけです。そこをクリックするだけで先方の画像データが見られますし、作成したレポートも自動的に相手方の電子カルテシステムに送信されます。以前と比較すれば、非常に楽になりましたね。



――

確かに、いくら高機能なシステムでも、使う方にとって不便なのではなかなか定着しませんよね。その点、今回のシステムでは、今までとまったく使い勝手を変えることなく、他病院の画像診断が行えるようになったのですね。



近藤 氏

その通りです。医師不足が問題になる中、診断を依頼する地域の医療機関にとっても、依頼を受ける側の病院にとっても、効率的に業務を行えることが非常に重要です。そのためには、単にIT化を行うだけでなく、ユーザビリティも考えながら仕組みを作り上げていくことが必要なのです。



――

今回のパートナーに富士通を選ばれたのは、どういう理由からだったのですか。



近藤 氏

2004年に構築した当院の病院情報システムでは、入札の結果、富士通の電子カルテシステム「HOPE / EGMAIN-EX」を採用しています。また、大森病院の電子カルテシステムにも、同じく富士通の「HOPE / EGMAIN-FX」が採用されています。今回のようなシステムでは電子カルテ本体にもカスタマイズが必要なため、製品に精通した富士通に任せるのが最適と考えました。
また、富士通グループには、地域に根ざした形で活動しているSEが多く、今回も秋田の医療向上のために熱心に取り組んでくれました。通り一遍の設計・構築では、今回のように本当にワンクリックで動くシステムは実現できなかったかも知れません。そうした部分についても、非常にありがたかったと感謝しています。





「セカンドオピニオン機能」を新たに追加
医療品質の向上を目指し、今後も様々な活動を展開


――

システムの導入メリットについてはいかがですか。



高橋 氏

画像診断のために足を運ぶ回数が半分以下に減りました。今後、他の病院とも同じようにシステムがつながってくれば、回数はさらに減っていくことでしょう。また、現在では手元の端末で他病院の画像が見られますので、ちょっとした空き時間などにも読影できるようになりました。おかげで、以前のように、夜遅くまで診断することは少なくなっています。



――

現場にとって大事なメリットですね。その他には何かありますか。



高橋 氏

もう一つ大きいのが、緊急時の対応がスピーディーに行えるようになった点ですね。たとえば、一刻を争う脳出血の際などには、専門医がすぐにアドバイスできれば、大きな効果が期待できます。私の業務用PHSにも、緊急で読影して欲しいという連絡が来るケースがありますが、こうした際に自分の端末ですぐに診断が行えるというのは、非常に大きなメリットです。



――

地域の医療体制のあり方にも直接関わってくる部分ですから、それは非常に大事なことですね。富士通としては、ここで力を発揮できたという点や苦労した点などはありましたか。





佐藤 徹 株式会社富士通東北システムズ 医療ソリューション事業部 統合ソリューション部 部長
高田 拓 株式会社富士通東北システムズ 医療ソリューション事業部 統合ソリューション部

佐藤

先ほど近藤先生も少し触れられましたが、実は私自身も地元出身の秋田県人です。それだけに、地域医療に貢献したいという気持ちを強く持ってプロジェクトに望みました。今回は富士通にシステム構築をお任せ頂いたわけですが、個人的にもこうした環境が秋田県内に拡がっていくということには、非常に大きな意義を感じています。オーダリングシステムの頃から長年、秋田大学様のお手伝いさせて頂いていますが、また新しい仕組みの運用が軌道に乗って本当に良かったと思います。



高田

SEにはそれぞれ「ここが得意」という分野がありますが、今回のプロジェクトでは、電子カルテシステムや画像診断システムなど、複数のシステムを連携させる必要があり、富士通製以外のシステムも含まれていました。このため、システム全体を見渡せる総合的な知識が要求される場面も多く、そこは少々苦労しましたね。ただ、システムのベースになっているEGMAINシリーズについては、いろいろな経験・ノウハウがありますので、その部分でのご期待には応えられたのではと感じています。



――

患者の方々の個人情報を扱うシステムですから、セキュリティも重要なポイントだと思いますが。




白戸 勝行 株式会社富士通エフサス 秋田支店
島崎 聡 富士通株式会社 東北営業本部 ヘルスケアビジネス部

白戸

おっしゃるとおりです。もともと病院内のネットワークは、セキュリティに配慮した形で構築されていますが、今回のシステムではインターネットを利用して画像データを送受信するため、より安全・安心なネットワーク環境を実現することが求められました。そのための手段として、両病院間でオンデマンドでVPN(Virtual Private Network)を構築できるような仕組みも新たに導入しています。また、私は過去に、秋田大学様と大森病院様のネットワーク構築にも参加しましたので、その時の経験も活かせました。



――

富士通としても手応え十分という感じですね。



島崎

今回のシステムではEGMAINシリーズ、並びに大森病院様にご導入頂いている画像診断システム「HOPE / DrABLE-EX」、連携サーバのPRIMERGYなど、様々な富士通製品をご活用頂いていますが、医療のIT化への取り組みはこれからもずっと続いていくことと思います。我々としても、近藤先生のご指導を仰ぎながら、地域医療の向上に貢献していきたいですね。秋田大学様では現在、病棟のリニューアル計画を進められていますが、そこでもまた、お役に立つようなソリューションがご提案できればと考えています。




コラム
医療とITの融合を目指してドクターが奮闘

数百床のベッドを抱える大規模病院では、各診療部門や事務部門に様々なベンダーの医療機器やシステムが導入されています。それだけに、今回のような新しい試みにおいては、複雑な環境をいかにスムーズ連携させるかが大きな課題でした。
もし、べンダー間の調整に時間や手間が掛かってしまうようだと、システムの品質や納期にも大きく影響しかねません。
その点、今回の構築においては、医療情報学のエキスパートである近藤先生自らリーダーシップを取ってプロジェクトを牽引。その結果、使い勝手に優れたシステムを予定通りに稼働させることに成功しました。
「富士通SEをはじめとする現場のスタッフが、真剣に頑張ってくれたおかげです」と、謙虚に語る近藤先生。
しかし、プロジェクトが成功したその裏側には、高品質な医療の実現と地域医療の向上に熱意を傾ける、一人のドクターの存在があったのです。


――

さて、今後はこの遠隔画像診断システムをどのように発展させて行かれますか。



近藤 氏

システムの新たな機能として、近日中に「セカンドオピニオン機能」を追加する予定です。県内には当院以外にも、放射線科医が常勤されている病院があります。その先生方の所見も伺えるようにできれば、よりシステムの利便性を高めることができます。また、実際に読影を行う画像診断医の先生方の負担にも配慮しつつ、大森病院以外の病院とも同様の仕組みを展開していきたいと思います。
当院では遠隔画像診断システム以外の分野でも、いろいろなIT化の取り組みを行っていますが、その基本コンセプトはあくまでも「使う人にとって役に立つシステム」ということです。今後も様々な仕組みを充実させ、医療の発展に貢献していきたいですね。



――

本日はありがとうございました。




今回の注目製品紹介
HOPE / EGMAINシリーズ

HOPE / EGMAINシリーズは、医療の情報化に貢献する電子カルテシステムです。無床の診療所から800床以上の大型病院まで、医療機関の規模や病床数に合わせて選べる5つの製品ラインナップをご用意。患者の診療情報管理やカルテ作成、オーダリング、看護支援など様々な機能を提供すると同時に、医療機関内の各部門システムとの連携もサポートしています。富士通では診療情報の共有・活用を通じて、医療機関の業務効率化と安心・安全な医療の実現に貢献いたします。


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病院名 秋田大学医学部附属病院
設立 昭和46年4月
代表者名 病院長 溝井   和夫
URL http://www.hos.akita-u.ac.jp/



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