富士通

「お客様とともに夢をかたちに」麻木久仁子の富士通導入事例レポート

対談 株式会社サンゲツ


入力時間をわずか3分の1に。切り札は、Ajax 株式会社サンゲツの受注業務を飛躍的に効率化。わずか4ヵ月での開発・導入を実現したのは、Ajaxフレームワークを実装した富士通のミドルウェアでした。
背景
受注業務の効率化を目指して受注入力インターフェースの再構築に着手


経緯
Ajaxを活用したシステム構築で使いやすいインターフェースを実現


効果
受注入力のスピードを旧システム時代の約3分の1に短縮



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受注業務の効率化を目指して
入力インターフェースの再構築に着手


麻木

本日は、インテリアメーカーとしておなじみのサンゲツさんにお邪魔しました。インテリアは住む人によって好みが分かれるだけに、多様なニーズに対応していくのは大変ではないですか。



上原

そうですね。当社の場合ですと、壁紙だけで約6,000種類。カーテンや床材なども合わせますと、全部で約13,000点の商品をご用意しています。



麻木

13,000点ですか!それはすごいですね。確かにこちらの見本帳を拝見していても、オーソドックスな色・柄の商品から、特殊なデザインの商品まで、たくさんの壁紙が載っています。



上原

一般のご家庭向けだけでなく、ホテルやショップ向けの商品もありますからね。たとえば、リビングルームにはあまり似合わないようなデザインでも、ショーウィンドウのディスプレイにはピッタリだったりします。それだけに、お客さまのイメージに合う商品を豊富に取り揃えることが重要なのです。
また、品揃えだけでなく、商品のデリバリー体制についても充実を図っています。今では、朝ご注文を頂ければ、近隣の場合は当日中に、地方でも翌朝には商品をお届けできます。



麻木

まるで生鮮食料品並みですね。どうしてそれほどのスピードが必要なのですか?




上原 健 氏 株式会社サンゲツ 取締役 情報システム部長

上原

内装工事の現場に、壁紙や絨毯のロールを積み上げておくわけにはいきませんし、時には急な仕様変更が発生する場合もあります。お客様に効率よく作業を進めて頂くためには、ジャスト・イン・タイムで商品をお届けできる体制が欠かせないのです。



麻木

なるほど。サンゲツさんがしっかりした仕組みを作っているからこそ、安心して内装工事が行えるというわけですね。
ところで今回、お客様からの注文を受け付ける受注システムを再構築されたと伺いました。これにはどのような理由があったのですか。



上原

これまで利用してきたホストコンピュータ端末のエミュレータでは、一つの画面に一つの機能しか持たせられません。このため、お客様の得意先コードや在庫状況を確認するたびに、別々の業務画面に切り替える必要がありました。
しかも、こうして調べたコードなどを、さらに紙にメモしたりした上でようやく受注入力が行えるという状態だったのです。その結果、商品点数やお取引先様の増加に伴って、オペレーターの入力業務に掛かる手間と時間が大幅に増えてきました。
スピーディーで効率の良いビジネスを実現するためには、こうした状況を一刻も早く変えていく必要があります。そこで、受注業務システムの改革に乗り出したのです。



麻木

確かに、13,000点もの商品を受注するとなると、相当使いやすくて効率的なシステムがないと難しそうな気がします。






Ajaxを活用したシステム構築で
使いやすいインターフェースを実現


多田 健次 氏 株式会社サンゲツ 情報システム部 課長
杉崎 寛 氏 株式会社サンゲツ 情報システム部 係長

麻木

新システムの構築にあたっては、どのような点を重視されたのですか。



多田

まず一つは、経験の浅いスタッフでも、ベテランと同じように業務が行えるという点です。
従来型の業務プロセスでは、商品や得意先のコードが分からないと入力が行えないため、コード番号の暗記テストを行ったりしてきました。「何番の商品はこの壁紙の何色」といった具合ですね。当然、ユーザーの教育にも、相当の時間が掛かります。
新システムでは、こうしたことを行わなくとも、簡単に受注入力が行えるようにしたいと考えました。



麻木

これだけ商品点数がたくさんあると、売れ筋の商品を覚えるだけでも大変ですよね。



多田

その通りです。それともう一つは、バックエンドのシステムに手を加えることなく、インターフェース部分だけで改革を実現するという点です。
システムを全面再構築するとなると、多額の費用と時間が掛かる上にリスクも高い。しかも、バックエンドのシステムに、いま何か機能的な問題があるわけでもありません。それよりは、ユーザーの作業に直結するインターフェース部分を改革することが、一番効果的だと判断しました。



麻木

その狙いを実現するために、今回は「Ajax」という開発手法を採用されたとのことですが。



杉崎

実現手段としてWebシステム化を検討していたのですが、ブラウザベースの単純なWebシステムでは、画面の更新処理に時間が掛かる、エミュレータのようにカーソルキーによる項目移動が行えないなどの問題があります。
このため、入力に慣れたベテランほど操作性に対してストレスを感じることも多く、実際の業務に適用するのは難しかった。その点、表現力豊かな画面を作成できるAjaxなら、こうした課題を解消できるのではと以前から研究を進めていました。
試しにプロトタイプを作って、関係部門に公開したところ、ユーザーの反応も非常に良い。これなら大丈夫だということで、Ajaxを活用したシステム構築に踏み切りました。



麻木

Ajaxを利用すると、そんなに使いやすいシステムができるのですか。



多田

たとえば、インターネットの検索サイトが文字入力中に関連キーワードを表示したり、地図サイトが再読込なしでスクロールできるのもAjaxのおかげです。
こうした技術を受注業務に応用すれば、データ入力に必要な情報を自動的に表示させたり、データをすべて入れ終わる前に入力ミスを発見したりできます。
これなら初心者でも、ベテランと同じように作業できますよね。またAjaxを活用することで、バックエンドのシステムを作り替えることなく構築が可能でした。






わずか4ヵ月のスピード構築
実現したのは富士通のミドルウェア


斎藤 照男 株式会社富士通中部システムズ(FJCL)流通・サービスシステム事業本部 流通PMAT室 プロジェクト課長
田辺 洋昌 富士通株式会社 東海営業本部 第二統括営業部 第二流通・サービス営業部

麻木

今回のパートナーに、富士通を選ばれたポイントはどこにあったのですか。



上原

一番は短期構築への対応です。我々としては年末の繁忙期前の11月には新システムを稼働させたかった。このリクエストに対し、「できます」と確約してくれたのは富士通ただ一社。その言葉に嘘はなく、構築開始から4ヵ月で第一次システムを稼働させることができました。
また、担当者の熱意も大きかったですね。リスクを並べて及び腰になるのではなく「この問題はこうすれば解決できる」「この機能なら11月までに稼動できる」といった具合に、我々と一緒に前向きに取り組んでくれました。



麻木

わずか4ヵ月ですか!それはすごいですね。



斉藤

かなりの短期間でしたので大変な面もありましたが、幸いだったのがサンゲツ様の現場の方々が非常に積極的だったことです。
こんなシステムがいい、こういう風にして欲しい、といったアイデアをどんどん出して頂いたおかげで、お客様の望むシステムの姿を明確に描くことができました。日々の業務に役立ってこそのシステムですから、開発スタッフとしても操作性にはとことんこだわりました。



田辺

私自身も営業ですから、日々の受注業務の重要さは身に染みて感じています。特に今回は現場の皆様の期待も高かっただけに、かなりのプレッシャーもありました。
それだけに、新システムの評判が良いと伺った時には嬉しかったですね。お客様と協力しながら、最新のWebテクノロジーを利用した業務システムを構築できたことは、私どもにとってもいい経験になりました。




コラム
絶大な導入効果に、感謝状が

新システムを現場に定着させるためには、ユーザーの当事者意識が重要なポイントとなります。
そこでサンゲツでは、機能や使い勝手についての要望を現場からも広く求め、ユーザーと情報システム部門が一丸となって構築に取り組みました。その結果、使い勝手の良い理想的なインターフェースが実現し、新システムのファンになってくれた社員も現れたそうです。
こうした導入効果を高く評価し、サンゲツから富士通に対して感謝状ならびにカーペットが贈呈されました。ベンダーに対して感謝状を出すのは、情報システム部門としても実に10年振りとのこと。上原氏は「今後もこうした機会がもっと増えていけば」と、富士通への期待を語って下さいました。




受注入力のスピードを
旧システム時代の約3分の1に短縮


麻木

今回の新システムの概要について教えて頂けますか。



斉藤

まずソリューションとしては、富士通のWebフロントアプリケーション構築基盤「Interstage Interaction Manager」とPCサーバ「PRIMERGY RX300」で構成しています。またネットワークサーバ「IPCOM EX LBシリーズ」も導入し、二重化されたサーバの負荷分散を図っています。



杉崎

富士通製品は標準技術に添って作られているので、当社の他のシステムとも親和性が高い。またInterstage Interaction ManagerのAjaxフレームワークも、開発効率を向上させる上で役立ちました。サーバ、ロードバランサーともに冗長構成をとっているので、システム全体で信頼性の高い構成となり、本稼働開始以来、現在までトラブルは発生していません。




システム構成図
万が一の故障時にもIPCOMが故障サーバを切り離し業務を継続


麻木

新システムの使い勝手はどうでしょう。以前とかなり変わったのですか。



杉崎

それについては、画面を実際に見て頂くのが早いでしょう(麻木さんにデモンストレーションを披露)。
はじめに、旧システムでの入力作業をご覧下さい。こちらにお客さまから頂いた受注Faxがありますが、当然ここには当社のお得先様コードや商品コードなどは書かれていません。
これを一つずつ、システムのメニューを選んで確認し、画面に表示された情報をメモして、Faxに書き写していきます。また、商品が切れていたら困りますから、在庫についても在庫メニューを選んで状況を確認します。



麻木

作業ごとに別々のメニューに切り替える上に、手書きのメモまで。これでは手間が掛かりますね。



杉崎

しかも、これだけでは、まだ受注入力はできません。お客様によっては支店がたくさんありますし、実際に壁紙などを貼りに行く工事現場の情報や、ご担当様の情報なども必要です。
また、同じ商品でも生産ロットによって微妙に色合いが異なるケースがあるため、貼り上げた時に色違いが生じないよう、同じ現場には同じ生産ロットの商品を納める必要があります。これらをすべて調べ、日付や数量などを確認してやっと入力が行えるのです。



麻木

一件の受注を入力するにも、大変な労力が必要だったのですね。



杉崎

そうですね。やはり、ある程度システムに習熟しないと、スピーディーに業務をこなすことは難しかったです。では次に新システムです。




杉崎

こちらでは、お客様や商品名の一部を入力すると同時に、入力したキーワードを含む候補リストが別ウィンドウに表示されます。後はこの中から、該当する項目を選ぶだけ。また在庫についても、商品名を入力した段階でシステムが先読みし、自動的に検索・表示してくれます。
以前のように、オペレーターがいちいち自分で在庫確認を行う必要がありません。



麻木

受注の際には当然在庫も調べないといけないわけですから、それをちゃんとシステム側で予測して、先回りして表示してくれるんですね。とても親切な、人にやさしいシステムですね。



杉崎

ありがとうございます。なるべく入力スタッフに負担を掛けないという点については、我々もかなりこだわりました。また、生産時のロット番号や商品配送時の注意事項など、業務上必要な情報もシステムが教えてくれます。一度入力した現場の情報などもシステムが覚えてくれますから、その都度手入力しなくても済みます。
さらにマウスだけでなく、矢印キーでも項目移動が行えるため、旧システムに慣れたスタッフでも違和感なく操作できます。





麻木

すごい!これなら私でもすぐに使えそう。もうコード番号を暗記したりしなくてもいいんですね。



杉崎

ちなみに、配送先の住所から地図を表示させることもできますよ。こうした新しい機能を付加できるのも、最新のWebシステムならではのメリットですね。



麻木

なんと地図まで!受注業務のスピードも、かなり早くなったのではないですか。



多田

在庫確認から入力までの作業をすべて1人のオペレーターが行った場合、受注一件当たりの入力時間は以前の3分の1程度にまで短縮できています。



麻木

3分の1ですか。それなら業務効率も大幅にアップできますね。



上原

しかも、スピードが速くなっただけではありません。
これまでの取引履歴なども画面上に表示されるため、たくさんご注文を頂いているお客様の電話応対中にひとこと御礼を申し上げるなど、よりきめ細かな対応が行えるようになりました。効率化の面でも、顧客満足度向上の面でも、大きな成果があったと満足しています。



麻木

今後はどのようにシステムを発展させていかれますか。



多田

今回のプロジェクトでは、受注業務の最前線である受注入力インターフェースの改善にフォーカスしましたが、この効果をさらに拡大すべく現在第2次開発を推進中です。
営業部門のほかの業務はもちろん、お客様との取引にも新しい基盤を活用し、効率化をさらに推進していきたいと考えています。



上原

システム活用を成功に導く最大のポイントは、「現場のユーザーが便利になる」=「システムを使うとトクをする」ということです。今後も利用者の立場に立って、様々な領域で改善を進めていきたい。富士通の提案にも、大いに期待しています。



麻木

現場の皆さんが楽しく仕事できる仕組みが、これからもどんどん生まれてきそうですね。本日はどうもありがとうございました。




今回の注目商品紹介
Webフロントアプリケーション構築基盤
Interstage Interaction Manager

Interstage Interaction Managerは、従来型のクライアントアプリケーションと同様に、使い勝手の良いWebアプリケーションを実現するWebアプリケーション構築基盤です。多彩なUI部品群やイベントハンドリング機能、データ変換機能、イベントログ機能などを、Ajaxフレームワークとして提供。操作性に優れ、保守性・再利用性の高いWebアプリケーションを短期間で構築できます。


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社名 株式会社サンゲツ
設立 1953年4月(創業嘉永年間)
代表社名 取締役社長 日比 賢昭
資本金 136億1,610万円
売上高 1,073億円(2008年3月期)
従業員 1,000名(2007年3月期)
事業内容 インテリアの専門商社
壁紙、カーテン、床材、イス生地などトータルインテリア商品の開発・ 販売
URL http://www.sangetsu.co.jp/



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