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対談 ヤンマー株式会社 [効率化]

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背景
販売物流システムの再構築に取り組んだ理由は何だったのでしょう。


経緯
新統合販売物流システムを、どのようにして実現されたのでしょう。


効果
新統合販売物流システムは、どのような効果をもたらしたのでしょう。


過去の[効率化]関連事例

・山崎製パン株式会社(2007年10月17日掲載)

・新日軽株式会社(2007年6月14日掲載)

・大都魚類株式会社・中央魚類株式会社(2006年7月19日掲載)


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販売物流システムの再構築に取り組んだ理由は
何だったのでしょう。


麻木久仁子

麻木

本日はディーゼルエンジンのエキスパートとして有名なヤンマーさんにお邪魔しました。ヤンマーさんの製品と言えば、トラクターをはじめとする農機や、漁船やプレジャーボートなどがまず思い浮かびますが、それ以外にも様々なビジネスを展開されているのですね。



西邑

ヤンマーグループでは、現在7つの分野において事業展開を行っています。麻木さんが言われたマリン分野、農業分野についてはご存じの方も多いと思いますが、その他にも発電機・空調機器・コージェネレーションシステムなどのエネルギー分野、産業用エンジンや建設機械などの産業・建設機械分野でも事業を展開しています。また、新たな領域として特に力を入れているのが、環境分野です。バイオ燃料などの石油代替燃料に対応した製品開発を通じて、資源循環型社会の実現に貢献したいと考えています。



麻木

ディーゼルエンジンについては、環境対策の面からも再び注目が集まっているそうですね。最近ではヨーロッパの自動車メーカーなどでも、CO2排出量が少ないディーゼルエンジンを搭載した車種が増えていると聞きます。



西邑

その通りです。我々としても、企業の社会的責任を果たしていくという観点から、環境問題に向けた取り組みを強化しています。具体的には、国内外の排気ガス規制をクリアしたディーゼルエンジンや先ほど申しましたバイオ燃料に対応したエンジンなど、地球に優しい製品の研究・開発を推進しています。



西邑 定幸 氏 ヤンマー情報システムサービス株式会社 代表取締役社長

麻木

国内事業だけでなく、海外展開にも積極的に取り組まれているそうですが。



西邑

ヤンマーグループの年間売上高は約5500億円ですが、海外比率は40%強となっています。今後も事業のグローバル化をさらに推進し、創業100周年を迎える2012年には、海外比率を50%にするとの目標を掲げています。欧米はもちろん、アジアや新興諸国にも市場を拡大していきたいですね。



麻木

そして今回、販売物流システムの再構築を実施されたと伺いました。これにはどのような理由があったのですか。



西邑

私どもヤンマー情報システムサービスは、ヤンマーグループの情報システム部門としての役割を担っていますが、現在の大きな課題となっているのが経営環境変化への即応です。企業のビジネス戦略は、時代や市場環境の変化に合わせてどんどん変わっていきますので、システムに対してもその時々の戦略を確実にサポートすることが求められます。

しかし、約30年にわたりホスト中心で構築されてきた旧システムは、
もともと様々な業務データを柔軟に活用するという発想で作られていません。このため、経営戦略に必要な情報をタイムリーに提供することが難しく、今後の変化に対応することが困難でした。そこでシステムを全面的に刷新し、「事業と組織再編への迅速な対応」「物販やサービス・エンジニアリングなど多様な事業形態への適用」「意思決定の迅速化」「グローバル化への対応」などの課題を解消したいと考えたのです。







新統合販売物流システムを、
どのようにして実現されたのでしょう。


釜鳴 隆 氏 ヤンマー情報システムサービス株式会社 製品システム部 兼 人事会計システム部 部長

麻木

新システムは旧システムと比べてどのような点が異なるのですか。



釜鳴

旧システムは、ホスト中心で構築されていただけでなく、各事業部門ごとに別々の仕組みを利用して業務を行っていました。これに対して新統合販売物流システム「GOALS(Global Order And Logistics System)」では、システムのオープン化を図ると同時に、全ての事業部門が一つのシステムを共用するようにしました。

ホスト系のシステムでは、いわゆるダム端末的な画面になりますので、操作性も低く入力項目も限定されていました。その点、オープン系のシステムなら、マウスなどを使ったユーザーが操作しやすい環境を提供できます。また、一つのシステムになることで、在庫情報・販売情報などの業務情報が一元化できますので、事業管理精度をより向上させることが可能です。

ちなみに、以前はシステムに精通した人が操作を担当していましたが、新システムでは営業マンひとりひとりが受注情報などを入力する「全員参加型」に変更しました。このことが現場の意識改革にもつながっています。



麻木

かなり大掛かりなプロジェクトだったと思うのですが、構築にあたってはどのような点を重視されましたか。



釜鳴

ユーザーの要望を確実に反映させるために、設計工程に19ヵ月を費やして仕様詳細を明確化しました。これは通常の開発に比べてかなり長い期間ですが、そのおかげで開発工程以降の仕様変更が少なくて済みました。

システムの中身については、約900名の利用ユーザーをカバーする環境として、富士通のWebアプリケーションサーバ「Interstage Application Server」を採用し、アプリケーションを自社開発しています。一般的にはERPなどのパッケージ製品を利用するケースもありますが、当社では「環境変化などの要因によってゴールが変わるシステムは独自開発すべき」との方針を立てています。ヤンマーならではの強みを発揮する上でも、パッケージの採用はまったく考えませんでした。開発に際して、富士通がjava開発のフレームワーク「EZDeveloper」を提案してくれた点もありがたかったですね。コーディング作業が減り、開発生産性を高めることができました。

また、定型帳票などの開発については、「Interstage List Works」が役立ってくれました。この製品は以前から利用しており、ユーザーも環境に慣れています。新システムでもそのメリットを活かすべく、引き続き活用することにしました。





麻木久仁子

麻木

グループ全体の共通システムということになると、信頼性も大事なのではないですか。



釜鳴

障害が発生すると、ユーザーに多大な迷惑を掛けることになるので、信頼性・可用性の確保は非常に重要です。そこでシステムのプラットフォームには、富士通のブレードサーバ「PRIMERGYブレード」とディスクアレイ装置「ETERNUS」を導入しました。PRIMERGYブレードは、サーバブレードやマネジメントブレード、電源、冷却ファンなど、すべてのユニットを冗長化できるため、基幹業務システムに欠かせない高い信頼性・可用性を実現できます。また、ETERNUSからシステムを起動することで迅速な業務復旧を実現する「SAN Boot」などの機能が用意されている点も高く評価しました。



麻木

プロジェクトを進めていく中で、苦労された点、工夫された点などはありましたか。



釜鳴

今回のプロジェクトは1,000人月クラスの(注)の大規模プロジェクトでしたが、これだけのエンジニアを国内だけで確保するのは非常に難しい。そこで、短期開発を実現するために、中国でのオフショア開発を行いました。当社としても初の試みだったのですが、富士通の支援のおかげで効率的に作業を進めることができました。



麻木

今回のパートナーに富士通を選ばれた理由は何だったのですか。



西邑

富士通はヤンマーグループと古くからの付き合いもあり、社風や業務をよく理解しています。そのため、いちいち細かく説明しなくとも我々のニーズを汲んだ提案をしてくれます。しかも、利用する側の視点を最優先して進めてくれるのです。また、ソリューションやサービス・サポートの充実度といった総合力の面から考えても、富士通の他に今回の役割を担えるベンダーはないと考えました。




(注)

1人月=1人の作業者が1ヶ月掛かって行う作業量。10人の作業者が10ヶ月掛かる作業は10人×10ヶ月=100人月







新統合販売物流システムは、
どのような効果をもたらしたのでしょう。


西邑 定幸 氏 ヤンマー情報システムサービス株式会社 代表取締役社長

麻木

システムの導入効果についてはいかがでしょうか。



釜鳴

一つのシステムとなったことで、業務効率を飛躍的に向上させることができました。たとえば、グループ企業間で取引を行う場合、従来は本社や販売会社、物流会社など、それぞれの企業で個別に受発注処理や出荷処理を行っていました。しかし新システムでは、“金”と“モノ”の流れを細かくフォローする「商流マスタ」という仕組みを組み込むことで、こうした一連の処理をすべて自動化しました。この結果、月次資料の作成時間を以前の約二分の一にまで短縮できた業務もあります。

しかも、発生したデータはその都度処理されていきますから、業務の平準化にもつながっています。以前は月締めの時期が来る度に、専任の担当者が遅くまで残業していたのですが、現在では月締めの時期でもほとんど残業せずに帰宅できます。



麻木

残業しなくても良くなったのですか!それは社員の方としても嬉しいですね。



釜鳴

ユーザー部門の声として、「全員が同じ情報を共有できるので、確認業務や問い合わせ業務が激減した」「情報を素早く把握できるようになり、報告用の資料を取りまとめたりする工数が削減できた」など、導入メリットについて数多くのコメントが寄せられました。この反響には、システム開発を担当した我々自身も驚くほどでした。もちろん、懸案であった事業・組織再編への柔軟な対応などの課題も解消できています。





左から 山中 正 氏(ヤンマー情報システムサービス株式会社)、四本 友博 氏(ヤンマー情報システムサービス株式会社)、西邑 定幸 氏(ヤンマー情報システムサービス株式会社)、麻木久仁子、釜鳴 隆 氏(ヤンマー情報システムサービス株式会社)

麻木

今後はどのようにシステムを発展させていかれますか。



釜鳴

新統合販売物流システムは倉庫業務との連携までカバーしていますが、その先の物流・配送業務については、まだ手作業で処理されている部分が多い。そこで富士通九州システムエンジニアリングの「LOMOS/配送計画」を導入し、モノの輸送まで含めた自動化を図っていく予定です。荷物の積み合わせや輸送経路を最適化することで、配送業務の効率化と輸送コスト削減が可能になります。またトラックの走行距離も短くなるため、環境負荷軽減にも貢献できると考えています。



西邑

今回の新統合販売物流システムを含め、設計・開発システムや生産管理システムなど、様々なシステムを再構築してきました。国内向けの環境は一通りできあがったので、今後はグローバルビジネスへの対応が大きなテーマとなります。海外拠点の製造・物流情報を本社側へ発信したり、国内の情報を海外拠点に伝えたりと、様々な情報をグローバルかつシームレスに連携できる環境を実現してゆきたい。

それだけに、ITパートナーである富士通に対しても大きな期待を掛けています。富士通は高品質なプロダクトとソリューションをトータルに提供できる数少ないベンダーですので、今後もその総合力を活かして我々を支援してもらいたいと思います。



麻木

国内・海外といった境目も次第になくなり、ボーダーレスなビジネス環境が実現していくというわけですね。ヤンマーさんの今後の活躍がとても楽しみです。本日はありがとうございました。

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