Fujitsu The Possibilities are Infinite

 事例概要 |  対談 |  「こんなはずでは」成功裏話 |  対談こぼれ話 |


対談 株式会社ヤクルト本社 [ユビキタス]

背景
フィールド業務の支援に取り組まれた理由は何だったのでしょう。


経緯
いつでも・どこでも情報を活用できるシステムを、どのようにして実現されたのでしょう。


効果
新システムは、どのようなメリットをもたらしたのでしょう。


過去の[ユビキタス]関連事例

・石川島播磨重工業株式会社(2006年10月17日掲載)


-

フィールド業務の支援に取り組まれた
理由は何だったのでしょう


麻木久仁子

麻木

最近では健康志向を反映して、様々な食品・飲料が注目されています。でも、その元祖と言えば、なんと言っても本日のゲストであるヤクルトさんでしょう。もはや説明の必要がないくらい親しみ深い会社ではありますが、あらためて現在のビジネス概況などを教えて頂けますか。



染谷

一般的にヤクルトと言えば、乳酸菌やビフィズス菌の会社というイメージが強いことと思います。もちろん、食品事業が弊社の基幹事業であることは間違いありませんが、最近では抗がん剤を中心とした医薬品事業も大きな柱になっているんですよ。



麻木

あら、そうなんですか!それは知りませんでした。



染谷

乳酸菌飲料やヨーグルトのように、どこでも売っている商品ではありませんから麻木さんがご存じないのも無理はありません(笑)。 やはり、乳酸菌飲料「ヤクルト」にかなうブランドはありません。現在、世界28の国や地域で販売され、毎日2500万人もの人々に愛飲して頂いています。また、新たな市場としてインドとベトナムにも工場を建設中です。



麻木

社会や時代の変化に合わせて、新しいビジネス領域の開拓も行われているわけですね。私たち女性にとっては、化粧品を出されているところも気になるポイントです。



染谷

弊社の化粧品事業は、乳酸菌やビフィズス菌の研究で培われたバイオテクノロジーを活用しています。独自の保湿成分などが好評で、「Yakult Beautiens」という事業ブランド名称のもと、基礎化粧品を中心に機能性豊かなラインナップが自慢です。



染谷 倫人氏 株式会社ヤクルト本社 直販事業部 次長

麻木

化粧品は肌につけるものですから、やはり品質や安全性が気にかかります。その点ヤクルトさんには、毎日飲む飲料を作られているメーカーという安心感がありますね。



染谷

もともと弊社は、医学博士・代田稔が予防医学の観点から、人の健康に役立つ菌の研究・培養に成功したことからスタートしています。それだけに安心・安全の確保には、非常に気を遣っています。食品も医薬品・化粧品も、効果や安全性が科学的に裏付けられた商品をご提供していくことが、弊社の使命だと考えています。



麻木

そして今回、フィールド担当者の業務を支援する新システム「YARD(Yakult Area-fielding Relations Drive)」を構築されたと伺いました。このフィールド担当者というのは、私たちにもなじみ深いヤクルトレディとは違うのですか?



染谷

ヤクルトレディは一般家庭やオフィスへ商品をお届けしていますが、フィールド担当者はスーパーマーケットなどの小売店舗に対して営業・販促活動を行います。弊社商品の紹介や鮮度管理、販促・イベント企画などが主な業務です。

ところが以前は、フィールド担当者と取引先本部を担当する者との間で情報伝達や情報共有がタイムリーに行えない、施策の効果が検証できないなど、様々な問題がありました。これらは取引先であるお店へのお役立ち活動を阻害するものです。そこでこうした点を解消すべく、それぞれの担当者が機能的に繋がり、売り場での活動を支援できるシステムを構築したのです。

 





いつでも・どこでも情報を活用できるシステムを、
どのようにして実現されたのでしょう。


山下 裕氏 株式会社ヤクルト本社 直販事業部 チェーンストア課 係長

麻木

限られた棚をいかに確保するかなど、スーパーやコンビニなどへの営業は大変だと聞きます。



山下

競合他社さんも頑張っている中、フィールド担当者にはお店の売り上げにどう貢献できるかが問われています。そこで販促商品を企画したり、店内で試飲イベントを実施したりするわけですが、従来はこうした活動がどう成果に結びついているのか分かりにくかった。毎月フィールド担当者を集めて会議も開いていましたが、それも月一回がせいぜいで情報をタイムリーに把握できない。これでは本部担当者としても、どういう施策が効果的なのか判断が付きません。

また、フィールド担当者間で、仕事のノウハウやヒントが共有できない点も問題でした。というのも、実際のフィールド活動はヤクルト本社ではなく、各地域の販売会社が行っています。地域が違ったら別の会社ですので、他の販売会社の担当者に役立つ情報があったとしても、それをタイムリーに知るすべがありませんでした。



麻木

本部では現場の状況がリアルタイムに見えるし、フィールド担当者は業務に役立つ情報を共有・活用できる。そんなシステムを目指されたわけですね。でも実際に構築するとなると、なかなか難しそうな気がします。



山下

そこで目を付けたのが携帯電話です。携帯電話なら文字情報の入力も内蔵のデジカメを使い売場写真を送信することもできます。またインターネットにつないで、サーバの情報を利用することも可能です。しかも業務用のハンディ端末のように、操作を覚えるのが大変ということもありません。携帯電話を活用すれば、我々のニーズにピッタリのシステムが実現できると考えました。



麻木久仁子

麻木

なるほど!それはうまく考えましたね。確かに携帯電話はいつも持ち歩くものですから、余計な荷物が増える心配もありません。実際にはどのような使われ方をされているのですか。



金安

出社したらフィールド担当者は、事前に登録している行動予定を確認します。1日の行動スケジュールに沿って店舗訪問し、活動後に商品のフェイス状況・商談内容を携帯に入力します。また、状況に応じて相手先の許可を得て、売場を撮影した画像などを活動実績に添付し送信します。

各販売会社の上長や本部担当者は、その活動内容をパソコンで確認し、アドバイスやコメントを入力し活動に対するフィードバックを行ないます。フィールド担当者自身も、効果的な事例情報や提案書などをパソコンから引き出し、業務に活用しています。携帯電話・パソコンで行動スケジュールを管理し、情報やノウハウの共有をパソコンで運用しています。



山下

売場の状況を画像で見ることができますから、お客様の情報を個店ごとに、かつリアルタイムに把握することができます。しかも時系列に沿って情報が蓄積されますので、ある施策に取り組んだ背景や実施した内容、その結果などの情報がすべてつながってきます。「次の一手」を考えようとした時に、こうした情報は非常に役立ちます。



麻木

今回のシステムのパートナーに、富士通を選ばれた理由は何だったのですか。



染谷

実を言うと、最初に候補に挙がったのは富士通ではなく、別のベンダーのASPサービスでした(笑)。ただ、こちらはフィールド担当者の行動管理のみをターゲットにしたサービスである上に、ランニングコストも高かった。弊社では単なる行動管理ではなく、ナレッジ共有も行いたいというニーズがありましたので、もう一度白紙の状態で数社からプレゼンテーションを受け、再検討を行いました。

その中で富士通の「Interstage Mobile Manager」という携帯電話アプリケーションが目を引きました。またナレッジ共有をサポートするSFAパッケージ「FASTSFA KM+」、今回採用した携帯電話「FOMA F902i」など、ソリューションに必要な要素をトータルに提供されていました。

また、富士通のスタッフが「我々は全部の製品を自前で作っていますから、今後携帯電話がさらに進化しても、ずっとサポートできます」と言ってくれたことも心強かったですね。情報システム部門にも検討に参加してもらいましたが、そこでも富士通のソリューションがベストという結論に達しました。

FOMA最新機種はこちら >





新システムは
どのような効果をもたらしたのでしょう。


山下 裕氏 株式会社ヤクルト本社 直販事業部 チェーンストア課 係長

麻木

システムの導入効果はいかがでしたか。



山下

まず、情報活用のレベルが大きく向上した点が挙げられます。たとえば以前は、各販売会社が担当地域ごとに情報を管理していたため、お客様単位ですべての情報を集約するといったことが困難でした。しかし現在では、地域や販売会社の違いにとらわれることなく、横断的に情報を分析・活用できます。

また、チェーン店の方が別の店舗から異動してこられた場合なども、以前担当していた販売会社の商談履歴などを参照できます。その結果、ヤクルトグループとして統一的な対応が可能になりました。



金安

フィールド担当者のスキルの差を、埋められるようになった点も大きいですね。特にキャリアが浅いうちは、どうすればベテラン担当者のように活動できるか見えにくかった部分がありました。しかし今回の仕組みを活用すれば、これまでに効果を挙げた成功事例・活動内容の情報などが自分の仕事に活かせます。また、成功事例の結果だけでなく、そこまでに至ったプロセス・アプローチを把握することで、今後の活動に活かすことができるようになりました。実際に現場からは「他の担当者の事例を参考に自分の管理店舗で売場提案をしたところ、お客様や担当者に喜んで頂けた」「アドバイスによって、すっきりした買いやすい売り場に変更できた」という声も上がっています。

また最近では、売場状況や活動報告だけでなく、管理店舗の売場の悩みなどを現場の売場画像を送って相談するケースなども出てきました。以前より状況が把握しやすく、的確なアドバイスやどういう形で支援すればいいか具体的な検討ができるようになりました。

 



金安 輝起氏 株式会社ヤクルト本社 近畿支店直販営業課

麻木

フィールド担当者としても、これまでよりずいぶん仕事がしやすくなったことでしょうね。



金安

情報伝達のスピードにしても、以前とは格段に違います。昔は連絡手段が電話やFaxなので、情報が現場の担当者まで伝わるのに2、3日掛かることもありました。それが、今ではYARDの機能を使い1、2時間もあれば、すべての担当者に情報が正確かつスピーディーに行き渡ります。その他にパソコンでチェーン店毎の情報やPOPなどのツールがすぐに活用でき、タイムリーな情報提供ができるようになりました。携帯電話では見られない資料や情報収集、報告書の提出などをパソコンで使用・活用することにより、業務負担は軽減したと思います。

また従来の問題の一つに、フィールド担当者が仕事上の悩みを共有できる場が少ないという点がありました。一つの販売会社にそれほど多くのフィールド担当者がいるわけではないため、社内で相談できる相手も限られていたのです。しかしYARDを構築したことで、支店担当者や販売会社の枠を超えたフィールド担当者同士のコミュニケーションも活性化され仕事に対するモチベーションが向上しました。こうした点も、業務環境が改善され、バイタリティあるフィールド活動につながっています。その他、YARDでの行動スケジュール管理によってPDCAサイクルが身につき、管理店舗の対応漏れなどが防げるようになりました。



麻木

それにしても、これほどスムーズにナレッジ共有が進んだというのは、何か秘訣のようなものがあったのでしょうか。



染谷

システム提案の際に、富士通からは「成功事例を共有する場を用意して、そこに情報をアップロードさせるようなやり方では、なかなかうまくいかない」というアドバイスをもらいました。確かに手間の掛かる面倒な作業を押しつけたところで、現場のスタッフからは嫌がられるだけです。

そこで今回のシステムでは、自然な使い勝手にこだわりました。現場のフィールド担当者が行うのは、携帯電話から行う日々の活動報告だけ。これを販売会社のマネージャーや本部担当者が見て、これはいいぞと思われる活動を推薦し、ナレッジとして登録します。推薦の際にはコメントも入れますので、フィールド担当者としても自分の活動が評価されたというやり甲斐につながります。その結果モチベーションが向上し、ナレッジの集約・共有がさらに進むというわけです。



山下

使い勝手という意味では、携帯電話の操作性にもかなり気を遣いました。パソコンに詳しくない担当者でも容易に利用できるよう、画面構成や入力方法などを工夫しています。また、あらかじめ携帯電話に情報をダウンロードする方式のため、ビル内や地下の売場など電波の届かない場所でも情報を利用できます。もし最初に検討したASP方式を採用していたら、こうした使い方は無理だったでしょう。



写真 左から井口優氏(株式会社ヤクルト本社)、金安輝起氏(株式会社ヤクルト本社)、麻木久仁子、藤栄一氏(株式会社ヤクルト本社)、山下裕氏(株式会社ヤクルト本社)、染谷倫人氏(株式会社ヤクルト本社)

金安

今回のシステム導入によって各フィールド担当者の活動内容が把握できるようになり、ノウハウが見える環境が整いました。現場の生の情報・活動結果は、非常に重要なものです。以前は、その情報を吸い上げる機会が少なかったのですが、そこに光を当てることができるようになりました。

そこで、活動に対する意欲が向上したフィールド担当者の活動内容・ナレッジを抽出し、発信できる構図がつくれたことも要因の一つだと思います。



麻木

これほど効果があるとなると、どんどん展開を拡げていきたくなりますね。



山下

現在は近畿地区を中心に展開していますが、他の地域への導入も鋭意検討中です。ただ、展開にあたっては、きちんと効果が出るような形で進めていきたい。近畿地区で成功できたのは、フィールド担当者の活動報告にちゃんとコメントを返せる体制が整っていたからです。単純にシステムを入れれば効果が出るというものでもないので、販売会社や本部側の体制づくりも含めて、着実に拡げていきたいですね。

少々大げさかも知れませんが、個人的にはこうした仕組みがヤクルトグループの文化の一つになればと思っています。それだけに富士通の今後の支援にも、大いに期待しています。



麻木

伝統ある企業ブランドにさらに磨きを掛ける上でも、新システムが大いに役立ってくれそうですね。本日はありがとうございました。



 関連するシステムのご紹介
携帯電話アプリケーション実行基盤
Interstage Mobile Manager(インターステージ モバイル マネージャー)  
製品紹介サイトへ >


操作性に優れた携帯電話
FOMA F903i  製品紹介サイトへ >

業務の継続性にこだわり抜いたPCサーバ
PRIMERGY  富士通品質サイトへ >

営業ノウハウ共有を実現する営業支援パッケージ
FASTSFA KM+(ファストエスエフエー・ケーエムプラス)  
製品紹介サイトへ >



過去の[ユビキタス]関連事例



明日のために、あなたと挑む。 株式会社 ヤクルト本社 事例概要

事例のポイントを素早く確認
株式会社ヤクルト本社
事例概要はこちら >

「こんなはずでは」 成功裏話

富士通の担当営業が語る予想外の事態
「こんなはずでは」成功裏話はこちら >

対談こぼれ話

取材先のさまざまなエピソードをご紹介
対談こぼれ話はこちら >




アンケート
ご意見をお寄せください。
アンケートはこちら >
ビジネスに役立つ情報をメールマガジンでお届けします 富士通Biz News
ビジネスに役立つメールマガジン
富士通Biz Newsはこちら >



株式会社ヤクルト本社 雑誌版PDF(639KB)ダウンロード
富士通導入事例レポート一覧はこちら



PDF のリンク先をご覧になるには、アドビシステムズ社のAdobe® Reader™(無償)が必要です。
Adobe® Reader™をインストールすることにより、PDFファイルの表示・印刷が可能になります。