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麻木
今回は食品スーパーやミニスーパーなど、「食」の販売に関わるビジネスを幅広く展開するフレスタさんにお伺いしました。フレスタさんでは本社を広島市内に構えられていますが、事業エリアは地元・中国地方が中心なのですか。
宗兼社長
その通りです。現在は広島市を中心に、福山市、岡山市などで43店舗を展開しています。また中核店舗のフレスタ以外にも、ミニスーパー「レッツ」、酒販専門店「リカーズ」、ショッピングセンター運営会社「コムズ」、それに惣菜製造会社「フレッシュセブン」など、様々なグループ企業を運営しています。
麻木
お惣菜まで自社グループ内で製造されているのですか。
宗兼社長
当社では食に対する強いこだわりを持っており、お客様に新鮮な食材をご提供できるよう全力で取り組んでいます。しかし最近ではライフスタイルの多様化が進み、なかなか調理の時間が取れないというお客様も少なくありません。そこで食材だけでなく、そのままでもおいしく食べられる惣菜の充実も図っているのです。

麻木
それはとても良く分かります。私も仕事がある日には簡単に食卓に出せるものが良いですし、休みの日などには「今日はお魚をおろしてみようかな」と思います。お店としては、こうしたニーズの多様化に、ちゃんと応えていく必要があるのですね。最近では、少子高齢化などの問題も影響があるのではないですか。
宗兼社長
人口が減る、高齢化が進むということは、すなわち食品を購入する量が減っていくということです。これまでスーパーマーケット業界は薄利多売型のビジネスモデルで成長してきましたが、今後も同じような形では厳しいでしょう。マーケット規模が縮小することが見えていますからね。私どもとしても「量から質のビジネスへ」の転換が重要な課題と考えています。

麻木
CIの見直しを実施されたと伺いましたが、それも今後を見据えてということなのでしょうか。
宗兼社長
当社は今年で創業120周年を迎えましたが、家業として事業を営んでいた頃には、事業方針や理念を共有することも簡単でした。しかし企業として成長し、人も増えてくるとそうもいきません。そこで1991年に社名をファミリーネームの「ムネカネ」から「フレスタ」へと改め、「食の創造提案企業」という企業理念を打ち出しました。
もっとも、それからさらに16年が経過し、社内の状況も大きく変わりました。1991年当時は社員150名に対し、「SMILE社員」と呼んでいるパートタイマーの方々が300名でした。それが現在は社員600名に対し、SMILE社員が3000名になっています。つまり社員だけが企業理念を理解していてもダメなのです。そこで現在の中核社員を中心に公募を行い、より分かりやすい新たな企業理念の策定に取り組みました。その結果生まれたのが、現在の「暮らしの創造提案企業」という理念です。
麻木
そして今回、店舗システムの改革にも取り組まれたわけですが、これにはどのような背景があったのでしょう。
宗兼社長
暮らし創造提案企業になるということは、衣食住の「衣」や「住」に関わる新しいサービスも提供していくということです。とはいえ、「食」が私たちのビジネスの中心であることは変わりありません。その根幹となるのは、やはり店舗におけるお客様サービスの向上です。
先にも述べた通り、現在では「量から質」への転換が大きなビジネス課題となっています。これを実現していくためには、お客様一人ひとりとつながる「One to One」のサービスに力を入れて行かなくてはなりません。しかし従来の環境では、こうしたサービスを展開することが難しかった。そこで今回、店舗システムの改革に乗り出したのです。

麻木
新店舗システムには、どのような特長が備わっているのですか。
西村
当社ではお客様サービス向上のためにFSP(フリークエント・ショッパーズ・プログラム)の手法を取り入れ、ポイントカードプログラムを実施しています。ご購入頂いた金額に応じてポイントを付与し、貯まったポイントをお買い物の際にご利用頂けるというものですね。
従来はすべてのポイントカード会員様に対して、一律のサービスを提供してきました。しかしOne to Oneマーケティングを推進していくためには、お客様一人ひとりに対して最適なサービスをご提供していく必要があります。そこで今回導入したシステムでは、ポイントカードとお客様データベースと連携することで、より柔軟で多彩なサービスがご提供できるようにしました。

麻木
単純に購入金額分のポイントが付くだけではなく、お客様の購買動向や好みになどにも応じてポイントが付くということですか。
宗兼社長
たとえば麻木さんも、いつも気に入って購入している商品があると思います。お醤油ならこのメーカーの商品といった具合ですね。当然、日頃購入しないメーカーの商品が安くても、あまり嬉しくないと思うのです。今後はお客様がよく利用される商品、好きな商品がお買い得になるようなサービスをご提供していきたい。今回の新店舗システムを活用することで、こうしたことが実現できるのです。
麻木
それはお客様としても嬉しいですね!店舗に欠かせないPOSレジも、以前とは大きく変わったそうですが。
西村
旧レジでは取引を記録したジャーナルデータが、ロール紙に印刷されていました。このためお買い物の内容についての問い合わせなどがあった場合、膨大なロール紙の中から該当する部分を手作業で探し出す必要がありました。
しかし今回からジャーナルデータを電子データ化したため、該当するデータを簡単・迅速に検索できます。また返品・交換をご希望された際にも、以前のように返品伝票などを手書きする手間がかかりません。レジの画面操作だけで作業が行えますから、お客様をお待たせしなくて済むようになりました。

麻木
今回のパートナーに、富士通を選ばれた理由はどこにあったのでしょう。
西村
これまで当社では、ずっと別のベンダー一社だけでシステムを構築してきました。しかし今回の再構築は、いわば次世代へ向けた新たな取り組みです。宗兼社長からも過去の経緯にとらわれず、ベストな提案をしてくれるベンダーと組めとの指示がありました。そこで富士通の提案を受けたわけです。
もっともIT部門としては、また既存ベンダーに決まるだろうと思っていたのです(笑)。これまでの実績もありますからね。ところが富士通の提案は、当社の要望に非常にマッチしたものでした。たとえば今回導入した富士通の店舗ソリューション「GlobalSTOREⅢ」は、複数店舗のストアサーバを集約した本部集中型サーバを採用しています。このためお客様情報を一元的かつリアルタイムに管理し、新しいサービスに活用していくことができます。他のベンダーが提案する店舗分散型のシステムでは、こうした展開は難しかったことでしょう。
またPOSレジの使い勝手が優れており、スムーズなお客様サービスの実現が可能であること。富士通の営業、SE、CEが、熱意を持ってシステム構築に取り組んでくれたことなども決め手となりました。
麻木
富士通との本格的なお付き合いは今回が初めてなわけですが、システム構築はスムーズに進みましたか。
西村
他社リプレースなので多少の不安もありましたが、結果的にはほとんど問題はありませんでしたね。たとえば旧システムでは店舗にサーバを置いていましたので、まずサーバを立ち上げてからレジを設置するなど、かなりの工数がかかっていました。その点GlobalSTOREⅢは本部集中型のシステムですから、新レジを設置してネットワークに接続するだけで済みます。今回は60店舗以上のレジを3ヵ月で入れ換えましたが、短期構築にも関わらず作業は非常にスムーズでした。店頭で使用する端末も無線LAN対応の「MulitiPad」へ変更し、リアルタイムに最新データが利用できる、周辺システムとの連携が可能などの効果を挙げています。

麻木
新店舗システムを導入したことで、どのようなメリットがありましたか。
西村
まず一点目は、ポイントカードプログラムの充実によるお客様とのリレーション強化、二点目はレジの生産性・業務効率の向上、そして三点目はクレジットカード対応など決済手段の多様化です。
今後は従来の画一的なポイント制度と異なり、お客様の属性に基づいてポイントやクーポンを発行できるようになります。ご来店ポイントやお誕生日ポイントなど、様々な新サービスが考えられますので、できるだけ早くご提供していきたいですね。新しいPOSレジについても、教育時間の短縮や違算の防止、釣銭準備金の大幅削減など、大きなメリットが生まれています。
麻木
釣銭準備金というのは、お客様に渡すお釣り用のお金ですよね。これまでは相当の金額をご用意されていたのですか。

宗兼社長
スーパーはお釣りがないと仕事になりませんから、従来は絶対に不足しないよう、ある程度余裕を見ておく必要がありました。しかし今回から自動釣銭機を導入しましたので、資金管理の精度が大幅に向上。お預かり金額やお釣りの間違いが格段に減少しただけでなく、より効率的に資金をまわせるようになりました。このメリットは相当大きく、財務面で資金繰りを楽にすることにもつながっています。
もう一つ見逃せないのが、各種金券も種類別に管理できるようになった点です。これによりクーポンが有効に利用されているか、ある金券をご利用されるお客様にはどういう商品が人気かといったマーケティング分析も行えるようになりました。
麻木
今後はフレスタさんのビジネスも、大きく変わりそうですね。
宗兼社長
繰り返しになりますが、今後はお客様一人ひとりの志向やニーズに応じたサービスがご提供できるようになります。これはとても大きな変化だと言えますね。
今までのスーパーマーケット業界は、新聞のチラシ広告などを使ったマス・マーケティングで、より多くのお客様を集めることに注力してきました。しかし少子高齢化やニーズの多様化が進む今後は、お客様個別のライフスタイル/ライフステージに応じたマーケティングやプロモーションが不可欠です。
その点、今回の新店舗システムを活用すれば、ケータイやWeb、宅配システムなどとも連動し、よりきめ細かなサービスをご提供できるようになります。お客様から愛される店づくりを目指して、今後も様々な取り組みを実施していきたい。富士通の提案とサポートにも、大いに期待しています。
麻木
新店舗システムの導入をきっかけとして、ビジネスモデルの革新がさらに進んでいくというわけですね。どうもありがとうございました。
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