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対談 東陽倉庫 [セキュリティ]

背景
書類保管センターの提供を開始された背景は何だったのでしょう。


経緯
先進的なセキュリティ・システムを、どのようにして実現されたのでしょう。


効果
新システムは、どのような効果をもたらしたのでしょう。


過去の[セキュリティ]関連事例

・株式会社新星堂(2005年8月18日掲載)


-

書類保管センターの提供を開始された
背景は何だったのでしょう。


——

愛・地球博の開催や中部国際空港「セントレア」の開港など、国内でも有数の活力ある地域として躍進を続けている中部・東海地区。
東陽倉庫さんはこの地域を中心にビジネスを展開されているわけですが、具体的にはどのような事業を手がけているのですか。



白石社長

社名に「倉庫」と付きますので、倉庫を利用した保管業のように思われるかも知れません。確かに創業時はそうだったのですが、現在では物流も含めてモノの流れを一括して請け負う、総合ロジスティクス企業として活動しています。

具体的な事業としては、まず名古屋港における港湾運送があります。船からの貨物の積み降ろし業務はもちろん、輸入・輸出業務や税関への通関業務などもすべて行います。また国内輸送では、中部圏だけでなく関東圏にも拠点を置き、様々な物流ニーズにお応えしています。ちなみに国際輸送では、中国など海外まで出かけていって、そこで機械や設備の据え付けの確認までやる場合もありますよ。



——

外国までモノを運ぶだけも大変なのに、現地でも作業があるのですね。



白石社長

輸送に関わる業務を、トータルにお手伝いするのが当社のモットーです。日本のメーカーが工場を海外移転する場合などは、機械や設備を船で運ぶだけでなく、現地の輸送業者なども手配して、ちゃんと最後まで作業を監督します。こうしたことが可能なのも、長年培ってきた経験や現地企業とのパートナーシップがあるからです。





白石 好孝氏 東陽倉庫株式会社 代表取締役社長

——

一般の人にとっては、物流と聞いても小包くらいしか想像が付かないと思います。でもその裏側では、大変な努力があるのですね。ところで今回、新しいサービスとして「書類保管センター」を開設されたと伺いました。これはどのようなサービスなのでしょうか。



白石社長

最近では個人情報保護法や金融商品取引法(日本版SOX法)など、セキュリティや内部統制に対するニーズが非常に強まっています。もし重要な個人情報などが漏えいしたら、企業経営上深刻な影響を受けることになります。企業としても、重要な情報が書かれた文書や書類は、できるだけ安全なところに保管しておきたいものです。当社は昭和47年から展開してきたトランクルームのノウハウを生かし、企業の重要書類・機密書類を専門にお預かりするサービスを新たに開始いたしました。これが書類保管センターです。







先進的なセキュリティ・システムを、
どのようにして実現されたのでしょう。


——

企業の重要書類を預かるとなると、かなりしっかりしたセキュリティ対策が必要になると思います。



白石社長

当社では、2005年の個人情報保護法施行に先駆けてプライバシーマークを取得するなど、セキュリティ対策に力を入れてきました。今回の書類保管センターでも、非常に先進的なセキュリティ・システムを新たに導入しています。



——

それは一体、どのようなものなのですか。



野村 氏

書類保管センターはお客様の重要書類をお預かりする場所ですから、誰でも容易に入退出できてしまうようでは問題です。そこでまず1点目として、生体認証とICカードを活用した入退室管理システムを採用しました。
誰が・いつ・どの倉庫に出入りしたのか、すべてシステムで履歴を取っています。また各倉庫の扉やエレベータ、シャッターなどにはカードリーダーが設置してあり、入館証であるICカードをかざさなければ解錠できません。さらに施設内の各エリアは重要度に応じてセキュリティレベルを6段階に分け、最も重要度の高い倉庫内は最高のレベル6に設定しています。ここへ入るためには、ICカードだけでなく手のひら静脈認証による個人認証が必要になります。



——

それは、お客様の手のひら静脈パターンを登録するのですか。



野村 氏

いえ、そうではなく当社社員の静脈パターンをサーバに登録し、当社社員が倉庫の入退出を行います。サーバと認証装置、ICカードが連携しており、入室にあたっては、ICカードを認証装置に読み取らせたうえで、自分の手のひらをかざす仕組みです。ふたつの静脈パターンが一致しないと決して入室できません。パターンが登録されているのは、書類保管センターに従事する社員だけです。当社の社員さえ、担当外の者は勝手に入ることはできません。たとえそれが白石社長であっても、一人では倉庫内に入れません(笑)。




野村 三喜男氏 東陽倉庫株式会社 トランクルーム部 部長

——

生体認証というと他にはいくつか思い浮かびますが、手のひら静脈認証の特長はどういうところにあるのですか。



野村 氏

まず他人を受け入れてしまう誤認率はわずか0.00008%以下と他の方式に比べて低く、 高いセキュリティが確保できることが一つ。また指先では、血管が細かったり数が少なかったりでうまく認識が行えない場合があるのですが、手のひら静脈認証ならこうした問題もありません。



——

セキュリティ面での安心感が高いというわけですね。



野村 氏

また使い勝手の面でも、優れた点があります。他の生体認証では読み取りエラーなどで認証に時間が掛かる場合がありますが、手のひら認証は認証動作のスピードが非常に早いため、認証時のストレスがありません。



——

それ以外には、どのようなシステムが入っているのですか。



杉本 氏

2番目として、RFIDタグを使った「所在地確認システム」を採用しています。これは当社の社員が、施設内のどこに居るかを確認するためのものです。倉庫内などに設置された無線アンテナと社員が身に付けたRFIDタグが常に通信し、その位置を割り出して画面上のマップに名前入りで表示します

また書類保管センターから無断で書類を持ち出そうとしても、書類ボックスに仕込んだタグが反応して警告を発する「持ち出し防止システム」を採用しています。もちろん社員のモラルや教育には細心の注意を払っていますし、内部の人間による不正などは絶対に起きないようにしています。しかしいくらそう申し上げても、言葉だけではやはり不安に感じられるお客様もおられることでしょう。そこであえてこのようなシステムを導入し、業務の透明性の向上を図っているのです。

また社員としても、自分の所在地がシステムで把握されていれば、不正な行為を行っていないことを証明できます。このため安心して業務を遂行できるというわけです。



杉本 直樹氏 東陽倉庫株式会社 情報システム部 課長

——

書類保管センターを構成するすべての要素が、しっかりと管理されているのですね。



杉本 氏

さらにこれ以外にも、様々な試みを取り入れています。たとえば館内には防犯カメラが各所に設置されていますが、この映像を録画してサーバに保存しています。防犯カメラの映像は一日~二日程度で消してしまうところも多いのですが、書類保管センターでは大容量のシステムを導入して長期間データを保存しています。「何月何日のこの倉庫」と指定すれば、その時の映像が見られます。

また、お預かりするものが書類ですから、万一、火災が発生した場合のことも考えています。水で消火したのでは書類がダメになってしまうので、館内の消火設備はガス式のものを採用しています。さらに書類の配送中にトラブルが起きたりしないよう、車両にはGPSによる位置確認システムを搭載。車両の盗難などにも配慮し、エンジンを停止させる制御機能も備わっています。



——

徹底されていますね。このセキュリティ・システムを構築するパートナーに、富士通を選ばれたポイントは何だったのですか。



杉本 氏

もともと当社の基幹システムの構築を担当するなど、富士通さんとは強い信頼関係がありました。今回のシステムについては数社から提案を受けたのですが、富士通さんにはさまざまなシステムを自社製品だけで構築できる総合力があり、全てを1社で受けてくれるという点で、競合他社の提案に比べて信頼感がありました。また富士通さんの提案はセキュリティの最新技術を活用したものでしたが、その内容を詳しくレクチャーしてくれた点にも好感を抱きました。それに加えて、他社よりも低コストだったので、お願いしました。





新システムは、
どのような効果をもたらしたのでしょう。


白石 好孝氏 東陽倉庫株式会社 代表取締役社長

——

書類保管センターの評判はいかがですか。



白石社長

開設からまだ1ヶ月足らずなのですが、多くの企業の方から問い合わせもあり、また、ご利用を頂いています。しかも従来からのお客様だけでなく、新規のお客様も増えました。事業の見通しには十分な手応えを感じています。



——

まさに社会のニーズにピッタリのサービスだったからでしょうね。



白石社長

タイミングも良かったのでしょう。日本企業が選択と集中を進める中で、本業でないことは専門家に任せるという考えが定着してきました。書類保管についても、私どものようなプロに任せれば良いという意識をお持ちですね。特に都市部は地価が高いですから、書類保管のためにオフィスを占有するのはコストパフォーマンスが悪い。またもう一つ重要なポイントとして、今回構築したようなセキュリティ・システムが、コストも含めて実際に採用できるレベルに達した点も大きいと言えます。



——

確かに社長室の金庫にカギを掛けて保管するより、書類保管センターのようなサービスを利用したほうが確実で安心ですよね。今後はどのような展開を目指されるのですか。



杉本 氏

今回採用したセキュリティ・システムのコンセプトは、物流サービスなど他の事業分野にも応用できると考えています。利用できる部分については積極的に水平展開し、サービスレベルを高めていきたい。とはいえ、こうした分野は日進月歩で技術革新が進みますから、時代遅れにならないように気を付ける必要があります。そうした意味では、今後の富士通さんの提案にも大いに期待しています。



白石社長

工業製品でも輸入品でも、なんでもそうですが、ただモノがあるというだけでは意味がない。それがお客様の手元に届いて、はじめて価値が生まれます。そういう意味では、ロジスティクス企業は、メーカーさんが作った「製品」を「商品」に変える重要な役割を担っていると考えています。当社でも『「もの」づくり・人の「くらし」を支える東陽倉庫』を理念として、日々の業務に全力を注いでいきたい。また最新ITも積極的に導入し、書類保管センターのような新しいサービスを、次々と展開していきたいですね。



——

本日はどうもありがとうございました。



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