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対談 法テラス(日本司法支援センター) [顧客満足度向上]

背景新たな法的支援サービスを開始した背景は何だったのでしょう。

経緯司法支援業務を支えるシステムを、どのようにして実現されたのでしょう。

展望新システムは、どのような効果をもたらしたのでしょう。

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新たな法的支援サービスを開始した
背景は何だったのでしょう。


麻木久仁子

麻木

今回は、2006年10月2日より業務を開始した日本司法支援センター(以下、法テラス)さんにお邪魔しました。こちらは2004年に公布された総合法律支援法に基づいて設立されたと伺いましたが、最近話題の司法制度改革と何か関わりがあるのでしょうか。



金平

その通りです。現在、裁判員制度をはじめとして、司法制度改革に向けた様々な取り組みが進められています。もっとも、こうした活動を行う上では、国民にとって司法がもっと身近な存在であることが必要です。いま麻木さんが言われた総合法律支援法でも、「全国どこでも法的トラブルを解決するための情報やサービスを受けられる社会の実現」を理念として掲げています。そこで、国民向けの法的支援を行う中心的な機関として設立されたのが法テラスなのです。



麻木

司法制度改革にまつわる問題はいろいろと論じられていますが、その中でも法的支援というのは、私たちにとって最も身近なテーマの一つだと思います。もっと多くの人に知ってもらう必要がありますね。



金平

発足時にマスコミなどに取り上げて頂いたおかげで、徐々に認知度も向上しています。とは言え、まだまだ法テラスの存在を知らない方々も数多くいらっしゃいますので、広報活動なども積極的に行っていきたいと考えています。





金平 輝子氏 法テラス(日本司法支援センター) 理事長

麻木

日本では、弁護士や法律相談などと聞くと、何かとても大変なことをするようなイメージを持つ方も多いように思うのですが…。



金平

なにしろ「裁判沙汰」という言葉もあるくらいですからね。日本では穏便に物事を収めることを美徳とする考えがありますし、それが一概に悪いというわけではありません。しかし、何かトラブルがあった時には、当事者同士だけではなかなか解決が付かない場合もあります。そんな時に、強い味方になってくれるのが司法なのです。私たち法テラスも、日々の生活の中で何か困ったことがあった時に、気軽にコンタクトできるような機関を目指したいと思っています。



麻木

テラスという愛称には、どういう由来があるのですか。



金平

まず「法で社会を明るく照らす」という意味が一つ。それともう一つ「日当たりの良いテラスのように、国民が安心できる社会を作る」という意味が込められています。親しみやすい名前を付けることで、特別な意識を持つことなく気軽に利用できるようになればと思いました。



麻木

それはいいアイデアですね!いくらサービスを利用したいと思っても、あまりお堅い名前だと、ちょっと気後れしてしまう方がいるかも知れませんから。



司法支援業務を支えるシステムを、
どのようにして実現されたのでしょう。


金平 輝子氏 法テラス(日本司法支援センター) 理事長

麻木

法テラスさんでは、具体的にどのようなサービスを提供されるのですか。



金平

「情報提供」「民事法律扶助」「司法過疎対策」「犯罪被害者支援」「国選弁護関連」の5点が主なサービスです。
まず情報提供では、お問い合わせ頂いた内容に応じて、法制度の情報や相談に乗ってくれる機関・団体の情報をご提供します。たとえば、全国の弁護士会や司法書士会、地方公共団体の法律相談窓口などですね。

次に民事法律扶助では、資力の乏しい方に対して、無料法律相談や裁判費用/裁判用書類作成費用の立て替えを行います。経済的な問題から、十分な法的サービスを受けられないということがあってはいけませんからね。また、これと同様に、地域的な問題を解消するのが司法過疎対策です。全国には弁護士や司法書士が不在の地域がありますので、こうした地域にお住いの方々に対し、きちんと法的サービスが受けられる体制を整備します。

また犯罪被害に遭われた方については、通常の電話番号(0540-078374)とは別の番号(犯罪被害者支援ダイヤル:0570-079714)をご用意し、専門の知識・経験を持つ担当者が対応にあたっています。最後の国選弁護関連については、重大事件について被疑者段階から国選弁護体制を整備できるようにしています。



麻木

非常に幅広い領域にわたっているのですね。これらの業務を支えるシステムは、どのようになっているのですか。



豊田

法テラスのシステムは、大きく「情報提供システム」「業務管理システム」「事務処理システム」の3つに分けられます。
まず情報提供システムは、ホームページでの情報提供や、職員がお問い合わせに応じて関係機関の検索を行う際などに利用します。お問い合わせ内容についてのFAQや相談窓口などを、一般の方が自分でオンライン検索できるサービスも、近日中に提供する予定です。また業務管理システムは、民事法律扶助や国選弁護など、法テラスが提供するサービスに関わる業務を担当します。これに対して、人事・給与・会計・決裁など、法テラス内部の業務処理を担当するのが事務処理システムです。



豊田宏氏 法テラス(日本司法支援センター) 総務部総務課 第三係長

麻木

今回のITパートナーには富士通が選ばれたわけですが、システム構築にあたってご要望された点や重視された点などはありますか。



豊田

迅速なサービスを提供するためには、システムの使い勝手が重要なポイントになります。そこで分かりやすく、使いやすい業務環境の実現を目指しました。また重要な個人情報を取り扱うシステムですから、セキュリティにも細心の注意を払っています。たとえばクライアントPCに、プログラムを勝手にインストールしたりすることもできないようになっています。

もう一つのポイントが、情報バリアフリーの実現です。総合法律支援法では、高齢の方や障害を持つ方などへの配慮が重要な要素として盛り込まれています。そこで富士通の「WebUD」を使用し、ホームページ上のテキストを読み上げたり、フォントの色や大きさを変えたりできるようにしました。



麻木

苦労された点などはありましたか。



阿部

まず一つは、時間的な余裕があまりなかったという点です。入札が行われたのが2005年9月で、業務開始が2006年10月。この約1年の間に、 システムを完成させなくてはならず、システムの設計開発は6ヵ月間という短期間で行いました。しかも作業に取り掛かってから痛感したのが、システムの規模が非常に大きいという点です。私たちプロジェクトメンバーもITの専門家ではありませんから、分からないことも多くて大変でしたね。



森 優一氏 法テラス(日本司法支援センター) 総務部総務課

麻木

そこを富士通がしっかりサポートしたというわけですね。



豊田

富士通の製品やソリューションは、市場でも数多くの導入実績を積み重ねています。これを組みあわせることで、私たちが望む業務環境を短期間に構築することができました。たとえば情報提供システムでは、XMLデータベースエンジンの「Interstage Shunsaku Data Manager」を採用し、約2万5000件の関係機関データを高速に検索できる環境を実現しています。また事務処理システムについても、「IPKNOWLEDGE」や「GLOVIA会計情報システムPublic」などの富士通製パッケージを用いることで、短期構築を実現しました。



さらに大きいのが、全国レベルでのサポートが受けられた点です。司法過疎地を作らないことが総合法律支援法の理念ですから、法テラスでも全都道府県に約50ヵ所の拠点を展開しています。とはいえ、私たち職員だけで、これらすべての拠点に一気にシステムを導入していくことはかなり困難です。幸い富士通の協力があったおかげで、全国の拠点へのシステム展開をスムーズに進めることができました。





新システムは、
どのような効果をもたらしたのでしょう。


阿部 圭太氏 法テラス(日本司法支援センター) 第一事業部民事法律扶助課 課長

麻木

使い勝手を重視したというお話がありましたが、実際に業務を行ってみてシステムの印象はいかがですか。



阿部

十分満足しています。たとえば民事法律扶助用の業務管理システムについては、キーボードのファンクションキーだけで簡単に機能が選べるようになっています。操作が素早く行えるため、利用者の方をお待たせする心配がありません。また申し込みから各種費用の立て替え、完済までに至る一連の流れを、ツリー状のメニューで一元管理できる環境も構築しました。このため非常に効率よく業務が行えます。

ちなみに弁護士さんなどに送付する文書を画面上で編集し、そのままFaxで送信するといったこともできますよ。



法テラスでは情報の鮮度を確保するために、ホームページを職員自身の手でほぼ毎日更新しています。こうした作業も富士通が構築してくれたシステムのおかげで、ワープロ感覚で素早く情報をアップデートすることができます。タイムリーな情報提供を推進する上で、大いに役立ってくれています。



麻木久仁子

麻木

今後もシステムに改良を加えていく予定などはあるのですか。



豊田

無事にシステムを本稼働させることができましたので、今後は使い勝手や機能の拡充に力を入れたいと考えています。先に述べた、ホームページでのオンライン情報検索サービスなどもその一つ。また富士通からも、弁護士会や司法書士会、裁判所など、関係機関とのやりとりを電子化してはどうかとの提案を受けています。紙ベースの業務を電子化すれば、より効率化・迅速化が見込めますので、こうしたことも前向きに検討していきたいと考えています。



写真 前列左から金平 輝子氏(法テラス 理事長)、麻木 久仁子、後列左から高田 昌也氏(富士通)、阿部 圭太氏(法テラス)、岩津 郁氏(法テラス)、浦田 幸輔(富士通)

麻木

10月2日の業務開始以来、反響はいかがですか。



金平

おかげさまで数多くの方からコンタクトを頂いています。ホームページには一日あたり平均1万6000件のアクセスがあり、電話の件数も一日2300~2500件に上ります。市民の方々がこうしたサービスを必要としていることが実感できましたので、今後も気を引き締めてサービス提供に臨みたいと思います。

司法と聞くと、とかくお堅い・遠い存在のようなイメージを受けるかも知れません。しかし本来は、私たちの生活を守ってくれる心強い存在なのです。もっと司法を身近で利用するようになれば、より安心して暮らせる社会を築くことができます。

法テラスでは「迷うあなたの道しるべ」というキャッチフレーズを掲げていますが、その言葉通り、トラブルを解決導くための情報をご提供していきたい。私たちがネットワークを作っている2万5000の関係機関の中には、公的機関だけでなくNPO法人などの民間団体も含まれています。こうした膨大な情報の中から、最適な支援をご提供していきますので、ぜひお気軽にお問い合わせを頂ければと思います。



麻木

現実問題として、何かトラブルが起こった時に自分自身で支援機関の情報を探したり、そこにたどり着いたりするのは困難だと思います。その点、法テラスさんのような機関があれば、私たちも安心して暮らすことができますね。私も何か困ったことがあったら、ぜひコンタクトしてみたいと思います。本日はありがとうございました。



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