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対談 株式会社タカキベーカリー [スピード]

背景
受発注システムを再構築された理由は何だったのでしょう。


経緯
受発注業務のスピードアップを、どのようにして実現されたのでしょう。


効果
新受発注システムは、どのような効果をもたらしたのでしょう。


過去の[スピード]関連事例

・株式会社岡村製作所(2005年7月29日掲載)


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受発注システムを
再構築された理由は何だったのでしょう。


麻木久仁子

麻木

私たちの毎日の食卓に欠かせないのが、おいしいパンです。本日お邪魔したタカキベーカリーさんでは、食パンや菓子パン、サンドイッチなど、 バラエティ豊かな商品群を提供されています。

私も先ほど「石窯レーズン&くるみブレッド」を頂いたのですが、とても美味しかったです。



山本取締役

ありがとうございます。

当社では主にスーパーマーケットなどの量販店やコンビニエンスストア向けに、パンの製造・販売事業を手がけています。 事業エリアは関西・中国・四国・九州と、主に西日本地区を中心に展開してきました。



麻木

実はパンのパッケージを拝見した時に、あまり見覚えがないように思ったのですが…。



山本取締役

麻木さんがそう思われるのも無理はありません。当社はこれまで東京など関東圏へは進出していませんでしたから。 しかし2007年春に新工場を建設し、関東でも事業展開を行っていく予定です。「石窯パン」シリーズなどの独自商品を中心に、他社にない品揃えで勝負していきたいと思っています。 西日本地区と同様、東日本地区のお客様にもきっと喜んで頂けることと期待しています。



麻木

関東でも手軽に買えるようになるんですね。それは楽しみです。 タカキベーカリーさんの商品はスーパーやコンビニというより、むしろパン専門店のパンのように感じます。



山本取締役

やはり商品に対しては強いこだわりがありますから、味や品質には細心の注意を払っています。

たとえば大手の製パン会社の中で、石窯の設備が入っているところは当社しかありません。 また生地の熟成などにも、しっかりと時間を掛けています。こうした取り組みを行うことで、より本格的な商品をご提供できるというわけです。

もっとも、その分だけ価格は少し上がってしまうのですが、幸い最近では「価格に見合う価値があるなら構わない」というお客様が増えています。 石窯シリーズは販売開始から約一年経ちますが、ずっと右肩上がりでセールスが伸びています。

「多少コストが掛かっても本当に良いパンを」というコンセプトをご理解頂けたことは、私どもにとっても大変嬉しいことです。



山本 雅夫氏 株式会社 タカキベーカリー 取締役

麻木

御社では自社で独自開発した冷凍パン生地の特許を、広く一般に公開されたと伺いましたが。



山本取締役

パン屋さんの仕事は大変な重労働で、朝商品を並べようと思ったら、夜中の2時、3時から仕込みをはじめなくてはいけません。当社の創業者・高木俊介が冷凍パン生地の開発に乗り出したのも、 こうしたパン職人の負担を軽減したいとの思いからでした。

この方法では一次発酵したパン生地を急速冷凍し、お店で解凍・二次発酵させた後に焼き上げます。このためいつでも手軽に焼きたてのパンをご提供できます。多くの方々にこの特許をご活用頂くことで、もっと日本にパン文化を広げたいとの考えがあったのではないでしょうか。

 



麻木

自社の成長だけでなく、日本のパン業界全体の発展を願われていたわけですね。

ところで今回、受発注システムの改革に取り組まれたとのことですが、これはどのような理由からだったのでしょう。



山本取締役

業務のスピードアップを図ることが目的です。パン製造には発酵や熟成などの過程がありますから、ご注文を頂いてもすぐにはお渡しできません。

たとえば当社の場合、一つのパンを作るのに最長で三日間掛かります。とは言え、小売店様に「三日先の在庫を予測して注文して欲しい」とお願いするわけにもいきません。今現在の棚の状況を見て、足りない商品を注文するのが普通ですからね。そこで受発注~生産~配送業務に関わるリードタイムを短くすることで、小売店様からの注文をギリギリまで待てるようにしたいと考えたのです。こうすれば小売店様の発注に柔軟に対応できるだけでなく、作りすぎなどのロスも削減できます。

 





受発注業務のスピードアップを、
どのようにして実現されたのでしょう。


松永 賢治氏 株式会社 タカキベーカリー 営業企画室 室長

麻木

従来のシステムのままでは、業務のスピードアップにも限界があったと。



松永

これまでは西日本・東日本地区に二台のメインフレームが導入されており、マスタの構造などもそれぞれ異なっていました。今後関東地区での事業を拡大していくことを考えれば、こうした状態はあまり好ましくありません。

そこで両方のメインフレームから受発注業務を切り出し、オープンシステムで統合することにしました。システムをオープン化することで、他の業務システムとのデータ連携などが行いやすくなります。その結果、受注から製造、出荷に至る一連のプロセスを、よりスピーディーに廻すことが可能になります。



麻木久仁子

麻木

具体的にはどのような形で再構築を行われたのですか。



松永

基本的にはJ2EEを利用して独自開発を行いました。市場には製造業向けのパッケージソフトなども提供されていますが、製パン業は業務の流れが複雑でパッケージに合いにくいのです。たとえば、商品の生産スパンが長い一方で、一般の製造業にあるような在庫品が発生しにくいという特徴があります。焼いたパンは納品するか廃棄するかしかありませんから、ある意味、生鮮食料品を製造しているようなものなのです。こうした業務プロセスに合うパッケージはなかなか無いため、富士通の協力を得て独自に開発しました。製品としてはJavaアプリケーション開発・実行基盤に「Interstage Application Framework」、得意先様との受発注データ交換/フォーマット変換に「Interstage CollaborationRing」を採用。また帳票システム用に「Interstage List Works」を採用しています。



麻木

富士通をパートナーに選ばれた理由は何だったのですか。



松永

私どもの業務をきちんと理解してくれていた点が大きいですね。特に富士通は20年にわたり当社の基幹システムをサポートしてくれていますので、安心して任せることができました。

また富士通には、システム構築にかける熱意と高度な技術力、それに高品質な製品群も揃っています。ちなみに、毎月「定例会」という名称でミーティングを開催しているのですが、それが先日ついに200回を迎えました。



麻木

200回ですか!それはすごいですね。



麻木久仁子

松永

現在はまだ業務改革に向けた取り組みの途上ですから、今後の富士通の支援に対する期待も高いです。定例会の回数を、さらに300回、400回と伸ばしていければいいですね。



麻木

業務改革というお話ですが、以前と比べて業務プロセスを変えた点などもあるのですか。



松永

たとえば、これまでは常識と捉えられていた「便」の発想を変えました。当社では得意先様一社に対して一日最大三便の配送を行っていますが、従来は生産もこの「便」をベースに行っていました。

しかし時には、「A社様向けの第一便」と「B社様向けの第二便」が逆転するケースもあります。それならば何便かに関係なく、トラックの出荷時点から遡って商品を生産できる仕組みを作れないかと考えました。これなら、作りすぎなどのムダをより効果的に省くことができます。業務への本格的な定着はこれからですが、こうした新しい方向を目指せるようになったことも、今回の再構築の大きな効果ですね。





新受発注システムは、
どのような効果をもたらしたのでしょう。


山本 雅夫氏 株式会社 タカキベーカリー 取締役

麻木

導入後のメリットという点ではいかがですか。



松永

旧システム時代は18時に受注を締め切っていましたが、現在では23時まで注文をお受けすることが可能です。また製造現場に対しても、一時間おきに最新の受注データを送信できるようになりました。以前は受注から製造部門にデータが渡るまでに2時間掛かっていましたが、これも現在では15分で処理することが可能です。

こうした改善の結果、サンドイッチなどの商品については、総リードタイムが二日から一日へと短縮できました。特にフレッシュさが要求される商品ですから、非常に大きなメリットだと言えます。またある工場では、商品の作りすぎを以前に比べて半減させることにも成功しています。



右田 和夫氏 株式会社 タカキベーカリー 広島営業部 エリアマネージャー

麻木

まさにスピードがもたらした効果ですね。こうした環境が実現できたということは、第一線の営業部隊としても心強いのではありませんか。



右田

パンは極めて日用的な商品ですから、どうしても価格競争に陥りがちな面があります。しかし、あくまでも品質で勝負するのが当社の理念ですから、安易に安売り競争に参加するようなことはしたくありません。とはいえ、価格に頼らないビジネスを推進するためには、小売店様に対してより高い付加価値をご提供することが必要です。そういう意味では、今回のような仕組みが実現できた意義は非常に大きいですね。

今後はフレッシュで美味しい商品をタイムリーにお届けできるだけでなく、様々なデータを有効に活用できるようになります。このことは我々営業部隊にとっても、強力な武器となると考えています。



真鍋 美徳氏 株式会社 タカキベーカリー 関西営業部 エリアマネージャー

真鍋

先ほどの話にもあった通り、二日前、三日前に発注を要求されても、小売店様も困ってしまいます。その点、受発注や製造業務のリードタイムを短縮できれば、より最適な数量をご発注頂けるだけでなく、品切れなどの問題も防止できます。

少々余談になりますが、我々の業務は以前「ホールセール事業」という名前だったものを、「リテールサポート事業」という名前に改めました。これは作りっぱなし、売りっぱなしではなく、小売店様のビジネスをしっかりと支援すべきとの考えからです。新受発注システムを活用することで、小売店様の売上向上に貢献していきたいですし、また売場づくりの提案などにも、力を入れていきたいと思います。



麻木

最後に今後に向けた展望を伺えますか。



山本取締役

来年は関東へ進出しますが、いたずらに規模の拡大を追うつもりはありません。関東のお客様にも、当社のパンを楽しんで頂くことが最大の目的です。

よく社内でも「量より質だ」と強調しているのですが、私たちは一つひとつのパンを非常に大事にしています。いくらビジネスが大きくなっても、大量に売れ残りや廃棄品が出るようなことは絶対に避けたい。極端に言えば、閉店の時に最後の一つが売り切れることが理想なのです。

そういう意味では、今回の新受発注システムは、業務スピードの向上だけでなくムダを大幅に削減することにもつながりました。この点についても非常に高く評価しています。

今後も品質と味にこだわり、お客様に喜んで頂ける商品をご提供し続けていきたいと思います。



麻木

私も関東でタカキベーカリーさんのパンを買える日を、楽しみに待ちたいと思います。本日はどうもありがとうございました。



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