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麻木
本日は化粧品メーカーのオッペン化粧品にお伺いしました。さて、化粧品は女性にとって絶対に欠かせないアイテムだけに、その品質や効果については非常に高い関心が寄せられていることと思います。オッペン化粧品さんでは、どのような姿勢でビジネスに取り組まれていますか。
山下社長
当社では創業以来、訪問販売を中心としたビジネスモデルを採用しています。「ローズメイト」と呼ばれる販売スタッフが、お客様と直接対話しつつ、お肌の調子やお好みに合ったご提案をさせて頂いています。麻木さんがおっしゃる通り、化粧品は女性の生活に必要不可欠なものです。それだけに商品に関する情報や技術などを、できるだけ正確にお客様にお伝えする必要があります。当社が訪問販売にこだわり続けてきたのも、お客様にもっと効果的に化粧品をご活用頂きたいという考えからです。

麻木
訪問販売だからこそ、お客様一人ひとりにピッタリの商品を提供できるというわけですね。
山下副社長
ただ単に高品質な化粧品を販売するだけでは、「美と豊かさ」をご提供するという当社の経営理念が果たせません。お客様に最適な商品をお届けするためには、やはりきめ細かなサービスが行える訪問販売が最適です。
もっとも、最近では女性の社会進出も進んでいますので、平日の昼間は家にいらっしゃらないお客様も少なくありません。そこで数年前から、「サービス展開型」と呼ばれる新しいスタイルも導入しています。これは、支店や拠点などにお集まり頂き、商品のご紹介などを行わせて頂くというものです。このように時代の変化に対応したスタイルは取り入れつつも、フェース・トゥ・フェースのサービスにはこだわっていきたいと思います。

麻木
IT環境の整備にも力を入れておられるそうですが、これはどのような理由からですか。
山下社長
当社ではこの数年にわたり、株式上場に向けた取り組みを進めています。社会的な責任を果たすと同時に、企業価値のさらなる向上を図るのが狙いです。しかしこうした取り組みを進める中で、大きな課題となった点がありました。それは経営を支えるITの問題です。
非上場企業と異なり、上場企業には迅速な決算情報開示など、様々な要件が求められます。しかし従来のシステムは個別業務ごとに構築されており、システム間連携なども行われていませんでした。柔軟な情報活用が行えないため、とても上場に必要なニーズを満たすことができなかったのです。そこで積極的な情報施策を打ち出し、基幹システムの再構築作業を進めてきました。
2000年のグループウェア導入を皮切りに、2001年に会計システム、2002年に販売システム、2004年に物流システムと、主要な基幹業務システムを次々と刷新し、そしてプロジェクトの総仕上げとして、2005年5月より新たに生産情報システムを稼働させました。
麻木
上場に向けた体制作りを行うためには、従来のIT環境を全面的に改める必要があったのですね。

麻木
今回構築された生産情報システムについてお話を伺いたいのですが、まず、どのような点を狙われたのでしょうか。
山下社長
以前は月次の決算処理に、約一ヶ月の日程が掛かっていました。その大きな要因となっていたのが原価管理です。ホスト上で動いていた旧システムでは、月次の原価計算に一ヶ月程度掛かっており、これがそのまま決算日程の遅れにつながっていたのです。新システムではこうした点を見直し、原価計算の迅速化を推進したいと考えました。

松尾
また、もう一つの課題として挙げたのが、生産管理手法の見直しです。これまでは調達や生産、出荷などのプロセスが、長年の経験とカンを頼りに動いていました。しかも欠品を出さないことが最優先されてきたため、原材料を余分に調達したり、必要以上の在庫を持ったりすることも少なくありませんでした。そこで新生産システムの導入によって従来の「自己流生産」を改め、業務のムダ・ムラも無くしていきたいと思いました。
麻木
生産のやり方を従来と変えるというのは、それほど簡単なことではないように思います。具体的にはどのような方法で取り組まれたのですか。
山下社長
基本的な考え方は極めてシンプルです。それは「システムに業務を合わせる」ということです。これまでのやり方に固執していたのでは、いつまで経っても抜本的な業務改革は実現できません。業務の標準化や、分かりやすい仕組み作りを進めていくためにも、システムが提供するプロセスに仕事を合わせるのがベストだと判断しました。
麻木
新生産システム用のパッケージソフトには、今後の業務プロセスを支える重要な役割が課せられたわけですね。そうすると、製品選定にはかなり神経を使われたのではありませんか。
松尾
化粧品業界向けの専門パッケージソフトなども含め、4つの製品を候補に挙げて慎重に比較検討を行いました。その結果採用したのが、富士通の「GLOVIA-C 生産ソリューション/PRONES(以下PRONES)」です。
採用のポイントとしては、まず機能の充実度が高いという点が挙げられます。PRONESには化学業界向けのテンプレートが用意されているため、化粧品業界向けの専門パッケージソフトと比べても遜色ありませんでした。さらに生産現場のスタッフが、PRONESの使いやすさを高く評価したことも大きかったですね。いくら高度な機能を備えていても、現場が使いにくいパッケージソフトでは意味がありませんから。また新会計システムに、富士通の「GLOVIA-C 会計ソリューション」を導入していましたので、システム連携面での安心感が高かったこともポイントとなりました。
麻木
新生産システムの稼働によって、基幹システムの全面刷新が実現したわけですが、以前と比べて大きく変わった点は何ですか。
松尾
生産システム・販売システム・会計システムが密接に連携した、統合的なシステム環境が実現できました。これにより全社業務情報の統合管理と、シームレスな情報連携が可能になっています。
たとえば、「販売システムの在庫情報・販売予測情報を取り込んで、PRONESで所要量計算や原材料発注を行う」「PRONESの仕入情報や支払情報を会計システムで活用する」「PRONESの原価情報を販売システムに取り込んで営業戦略に役立てる」といった具合に、情報がすべてのシステムを一気通貫に流れるようになりました。
これにより正確な原価をリアルタイムに把握することが可能。また各業務の効率や精度も向上しています。こうした環境が実現できたことには、非常に大きな意義があると感じています。

麻木
システム構築を進める上では、いろいろなご苦労もあったのではないですか。
松尾
旧システムはまず生産ありきで作られていましたから、それと比べると現場の作業負担が増えた面もあります。たとえば以前は生産プロセスの各フェーズでデータ投入を行う必要もありませんでしたし、それほど厳密に業務の順番を守らなくても済みました。急いで出荷したい場合には、とりあえず出荷処理を先行させて、後から付帯業務を行っても良かったのです。
これに対してPRONES導入後は、必ず定められたプロセスに従って業務処理を行うようになりました。以前のような現場対応は許されません。しかしそのおかげで、モノや情報の流れが確実に把握できるようになり、イレギュラー処理によるミスやムダもなくなりました。確かに多少の苦労はありましたが、ビジネスの全体最適化を図っていく上では、正しい選択だったと思います。

麻木
導入後の効果についてはいかがですか。
山下社長
各システム間の連携が実現したことで、懸案であった決算日程の早期化を果たすことができました。以前は一ヶ月掛かっていた月次決算が、現在ではわずか6営業日で処理できます。
しかもコスト削減の面でも、非常に大きな効果が現れています。在庫を従来と比較して金額ベースで約31%削減。また、年間物流総費用も約28%削減することができました。この効果には大いに満足しています。
麻木
約3割もコストが減ったのですか。それは素晴らしいですね。
松尾
以前は工場で生産された商品を一度支店に配送し、そこからお客様にお届けしていました。しかし基幹システムが一新された現在では、工場から直接お客様にお届けできるようになっています。支店で在庫を持つ必要がありませんから、その分のコストを削減できたというわけです。
また正確な需要予測に基づいた生産が行えるようになったことで、余分な原材料発注や商品の作りすぎなどの抑止効果も期待できます。今後システムの活用を進めていけば、こうした面でのコスト削減効果もさらにプラスされると確信しています。
また情報活用の面でも、今までにないメリットが生まれています。たとえばPRONESはシステム内に蓄積されたデータをCSVファイルに落とせますから、ユーザーが様々な視点で自由に分析できます。以前はこうしたデータを手に入れる手段すらなかったことを思えば、飛躍的な進歩と言えるでしょう。

麻木
富士通のサービス・サポートについての印象はどうですか。
松尾
今回のパートナーに富士通を選んだのは、ハード・ソフト・サービスをトータルに提供できる総合力を評価したからです。その判断は間違っていなかったと思いますね。短期間で我々の要件に合ったシステムを構築してくれたことには、大いに感謝しています。構築作業が終わった現在も、富士通のサーバ24時間監視・保守サービス「SupportDesk-Management」を利用し、システムの安定稼働に役立てています。

麻木
IT環境の全面刷新という目標を果たされたわけですが、今後についてはどのような展開を目指されますか。
山下社長
今回の基幹システム再構築プロジェクトには、今後に向けたビジネス基盤を作るとの意味合いもありました。基盤が完成した今後は、攻めのビジネスを行うためのツールとして、積極的に活用していきます。
決算のための情報が早く手に入るということは、その情報を活かしたスピーディーなビジネスが展開できるということでもあります。またコスト削減を進めることで、財務体質のさらなる強化も実現できます。システムに蓄積された情報をフル活用し、より戦略的な経営を推進していきたいですね。業務改革やコスト削減もさらに進めたいと考えていますので、富士通の提案にも大いに期待しています。
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