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材料開発の分野にも
「スピード化」と「効率化」が求められている。


麻木久仁子

麻木

ブリヂストンといえば、まずタイヤが思い浮かびますが、タイヤ以外の事業にはどのようなものがあるのでしょうか。



加藤

売上の75%ほどはタイヤで、25%は化工品と呼ばれる工業用資材や自動車部品、土木・建築資材などゴムやウレタンなどの応用製品が占めています。たとえば、原油をタンカーに積み込むためのマリンホースや自動車用シート、OA関連ではプリンタ内部のローラーなどですね。こうした応用製品は多彩な分野で役立てられています。最近では環境対応の製品として、製造工程でフロンを使用しないノンフロンの断熱材を開発し、好評を得ました。




加藤 信吾 氏 株式会社ブリヂストン 化工品技術本部長

麻木

意外なところでブリヂストンの製品が使われているのですね。では化工品材料開発部ではどのようなお仕事をなさっているのでしょう。



加藤

製品企画部門からいろいろな化工品のアイデアがあがってくるのですが、そういった商品の要求特性を満たす材料を開発するのが私たちの仕事です。市場ニーズの変化は激しいので開発にはスピードが求められますし、量産した時に採算がとれるか、といったことも考えなければなりません。なかなか大変な仕事です。



麻木

なるほど。優れた材料を開発しても、採算がとれないのでは困りますものね。しかも市場のニーズは複雑化しているでしょうし、素早く対応していくのは大変でしょう。




加藤

ええ。しかも、材料の開発というのは非常に奥が深いのです。10種類以上の材料を混ぜ合わせたり、加熱・加圧したりします。また、配合の分量や加熱・加圧時間、また混ぜる順序の違いによっても特性が千差万別に変わってきます。まるで料理のようでしょう。業界では材料の配合表を「レシピ」と呼んでいるんですよ。

麻木

言いえていておもしろいですね(笑)。しかし、混ぜる順番だけで特性が変わってしまうなんて・・・。まさにプロの経験と知識が求められそうな分野ですね。今回のナレッジ・マネジメント・システムの導入に関係してきそうなお話です。





作業手順のテンプレート化により、
作業の抜けや漏れをが防止でき、開発業務も加速した。


麻木

先程、配合データの話をお伺いしましたが、材料開発とはやはりプロの知識の世界のように思えますね。そういった知識やノウハウは従来、どのように共有していたのでしょうか。



加藤 信吾 氏 株式会社ブリヂストン 化工品技術本部長

加藤

配合データはデータベースに入れていました。必要な時に自分で検索するのですが、「誰が、何のために開発した」という情報が付加されていなかったため、使い勝手が良かったとは言えませんでした。また、配合のアイデアや報告書などのドキュメントは主に紙で保管されていましたので、自分に必要な情報をすぐに探し出すことができませんでした。しかも材料開発の工程には、必ず行うべき試験や作成すべき報告書などが細かく定められているのですが、従来の紙とファイルによる管理の時は、気づかないところで作業の抜けや漏れがあり、非効率的な部分もありました。



麻木

そこでナレッジ・マネジメント・システムの導入を決めたわけですね。




ブリヂストンが実現した『ナレッジ共有システム』

加藤

はい。当社が採用したのはプロセス支援型のナレッジ・マネジメント・システムです。このシステムを活用して、多岐にわたる作業手順をテンプレート化し、誰でも目で見て活用できるようにしたのです。



麻木

作業手順がチャートで見やすくまとめられていれば正確に効率よく作業できますね。



加藤

その通りです。これにより作業の抜けや試験漏れがなくなりました。またテンプレート上では、材料の配合表や開発文書などの関連資料や試験データが紐付けられているので、蓄積された過去の知識やノウハウを、必要な時に探し出して、容易に役立てることができます。もちろん過去の配合データへもすぐにアクセスし再利用できるので、知らずに同じ配合作業を繰り返すといったムダもなくなり、効率的に開発が進められるようになりました。




麻木久仁子

麻木

まさにベテランの完璧な仕事の進め方と知識を共有するシステムが完成した、と言えますね。



加藤

はい。同じようなテーマの開発の際は、以前の文書をヒナ型として使えますし、作業がどこまで進捗しているかは色分けによりひと目で判別できます。開発工程のスピードアップとともに管理のしやすさもメリットとして挙げられると思います。





年間1,000万円ものコスト削減効果。
ナレッジ・マネジメント・システムがもたらした成果は絶大だった。


麻木

では、新システムの効果を教えていただけますか。

加藤

はい。作業手順の管理精度が高まったとともに、情報検索の時間が、膨大な紙文書の中から過去の情報を探していた頃に比べ約半分に減りました。これはコストに換算すると年間1,000万円以上の削減効果です。

麻木

年間1,000万円以上のコスト削減効果ですか。凄いですね。しかし逆に言うとそれだけ技術者の方は情報検索に苦労されていたということですね。


加藤 信吾 氏 株式会社ブリヂストン 化工品技術本部長

加藤

開発とは培った知識と経験にアイデアを加える仕事と言えます。ですから時間をかけて過去のデータや情報を探すのも業務のうちなのです。今回、ナレッジ共有を実現したことで、情報を検索する時間が劇的に減り、それがコスト削減につながりました。これには情報の紐付けという仕組みはもちろん、全文検索エンジン「Accela BizSearch(アクセラ ビズサーチ)」が貢献しています。柔軟なキーワード検索で目的の資料をたちどころにサーチしてくれますから。これにより技術者は長時間の検索から開放され、より本業に集中できるようになりました。


麻木

とすると、製品の良さが富士通をパートナーに選んだ理由と言えるのでしょうか。

加藤

比較検討した他のシステムは部門で使うには機能範囲が広すぎました。逆に富士通のシステムはシンプルに始めて、成長させられる点がいいですね。また、富士通が自社で活用しているということもあり、実践ノウハウに基づいた提案が的確で、安心できました。こうした点が決め手になりましたがそれだけではありません。

麻木

と、いいますと・・・

加藤

今回のシステムは部門システムということもあり、導入作業は現場の若手が主体となって行ってきました。富士通のようなITベンダーはIT用語を多く使いますが、ITに詳しくない私たちには理解できない点もありました。逆に化学技術畑の私たちの言葉がベンダーに通じないこともありました。噛み合わないコミュニケーションの中でも、富士通は私たちの業務を熱心に知ろうとし、要望を理解するよう努力してくれました。その姿には好感を持ちましたね。

麻木

効果をもたらすシステムの構築には、製品の力と人の力のどちらも欠かせないのですね。では最後に、富士通に今後期待することをお願いします。

加藤

このシステムの操作性や機能向上などをさらに追求してほしいですね。また今後、さらなる効率化を目指し、現在は紙ベースで行っている報告書などの承認を「電子承認」化する計画もありますので、その時は持ち前の提案力とサポート力で協力してもらいたい、と期待しています。

麻木

ナレッジ・マネジメント・システムと今後予定している電子承認。IT活用により、ますます開発スピードが加速していきそうですね。ブリヂストンは知識やノウハウを共有、継承するシステムをいちはやく導入しました。今後もさまざまな分野で画期的な化工品材料を開発なさることと思います。本日はありがとうございました。



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