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黒川
森林浴の効用なども最近では、いわれるようになりましたね。
今井
医療用の検査機器が発達してきて、森林の持つ効用についても、様々なエビデンスが明らかになってきています。昔は脳の血流を測るのは大変でしたが、今は光トポグラフィーという技術を使えば測れます。この血流の様子でリラックスの度合いが分かります。またストレスがあるかどうかも、唾液中のコルチゾール(ストレスホルモン)の量で分かります。こうした測定を森の中ですることで森の効用が見えてくるのです。


黒川
私は今、毎年百名山に7つ登ると決めています。60歳の時に数えたら、百名山中55山に登っていたので、65歳までは年に7山登ると決めたのです。この3年間も21山に登りました。どうして登るかというと、仕事のストレスが見事に解消されるからです。山を登っている時は、早く頂上に着かないかなということ位しか考えない。そういう時間は貴重です。
今井
都会にいて運動してもストレスは全く軽減しません。しかし、森に入っただけでストレスは軽減する。さらに、そこで運動すれば、ストレスはさらに軽減します。2005年7月の国際学会では、都会の写真と山の写真を見せて、その時に脳のどの部分が使われるかをF(ファンクショナル)MRIという機械を使って調べた結果が報告されました。そこでは、都会の写真を見せると、頭痛の元になる後頭葉が刺激され、森の写真を見せると、情緒や創造性といった人間的な行動に密接に関係する前頭葉前頭前野という部分が刺激されて快適性が働くということが分かりました。
黒川
写真を見ただけで、そうなるのですか。
今井
そうです。日本では、独立行政法人森林総合研究所の先生たちが、学生に「山に行く」と「街に行く」と言った場合を比べると、山に行くと言っただけでストレスが軽減される結果が出たと報告しています。ですから、年7回山に行くと決めた時点で、ストレスは間違いなく、軽減されていますよ。
黒川
ともかく、山に行くと、身体は疲れますが、気持ちはすっきりします。難しい問題にぶち当たっている時なども、とてもよいですね。
学生時代、仲間と。
全体を共有するコミュニケーションが メンバーの喜びを保障する
ストレスを解消する 森の効用についての解明が進む
木を切るところから始め 動植物の命を奪って生きる人間の姿を直視する