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自然の中で心地よさを感じることが 地球環境の保護の出発点

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自然の中で心地よさを感じることが 地球環境の保護の出発点

富士通株式会社 代表取締役社長 黒川 博昭

黒川

今、企業では地球環境の保護が大きな課題になっています。私も山歩きをしていて、山が荒れているなと感じることも多いのですが、今井さんは自然環境の保護に関しても熱心に活動されていますね。



今井

自然環境の問題でいえば、1980年代には問題の深刻さを実感していました。ヒマラヤでベースキャンプを立てるような、それまで安全だと考えていた場所で、雪崩が起こって人が亡くなったこともありましたし、鉄砲水でクルマごと流されたという、ひどい経験をした人もいます。また、北海道大学の研究によれば、エベレストサイド(クンブ地方)で1960年までに決壊した氷河湖は3つしかなかったのに、1960〜90年の間に、12個が決壊したという報告がされており、地球温暖化の影響が立証されていました。そこで、最初に考えたのは、こんなひどい状態になってしまったら、自分たちの楽しみである山登りができなくなってしまうという極めて個人的なことでした。と同時に、温暖化だけではなく、オゾン層の破壊による紫外線の問題が出てくる。動物である人間にとって、マイナスになることは阻止しなくてはいけない。人間が自然に生きることができる自然環境を保全しなくてはいけないと考えました。

医師 登山家 今井 通子氏


ところが、欧米では「地球を守ろう」という主張が中心でした。1992年に地球環境サミットも開かれました。そうした流れに私は違和感があって、自分を守るということを中心に据えるべきだと考えたのです。10年余り経って、最近、全体的な流れも自分たちを守ることが大切だというところに、ようやくシフトしてきました。

そこで、私がやっていることは、まず人々を自然の中に連れて行くことです。そこで、いかに自然が心地よいかを体感させ、自然を好きにならせて、壊さないように、傷つけないような意識を生み出していく。その上で、自然を保全する活動をする。そこで、汗をかくことの心地よさを体験してもらうのです。さらにその先に行くと、エビデンスのある形で、自然保護のためのやり方を考える。こんな流れでやっています。ともかく、人間が自然から恩恵を受けていることを考えることが一番、重要だと思います。




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