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若い人を育てるには やって見せることから始める

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若い人を育てるには やって見せることから始める

医師 登山家 今井 通子氏

今井

私の登山チームの活動は、60年代後半、メンバーが20代で始まり、1985年のチョモランマ(エベレスト)まで続いてしまいました。そこで何が起こったかというと、下が育たない。コミュニケーションも「ツーカー」で、チームの皆が達人になってしまった。そして、後ろを振り返ったら、皆、歳をとってしまって、後に続く人がいない。その点は注意しなければいけないと考えて、今は横型社会ではなく、「斜め型社会」がいいと言っています。昭和10年代後半生まれの私たちの世代は、親から怒られながら親の背を見て、自分で考えながら、育ちました。次の団塊の世代は勉強、勉強と言われて、親の背を見るヒマもなかった。だから、親から「どうして、こんなことがわからないのか」といわれて戸惑った人たちです。さらに、その下の年代の人たちは全くのお坊っちゃん、お嬢ちゃんで、靴下をあちこちに投げ捨てておいても、親が片づけてくれる。テーマをきちんと決めてやれば、勉強もしているので、やり方はわかる。しかし、自分からは率先してやらない。いわゆる指示待ち症候群です。しかも、プライドが高い。そこで、やり方が分からない初めてのことに出会った時には、手も足も出ない。



団塊の世代は「自分で考えてやりなさい」といわれて、つらい思いをしているから、若い人たちに、自分で考えろとは決していわない。一方で、ヘタに教えるとプライドを傷つけて嫌われるのが分かっているから、結局自分でやって見せてしまう。例えば、テントの中のゴミをパックに入れて片づけるにしても、「ほい、片づけおばさんですよ」などとやってしまう。そうすると、若い人たちは「ゴミって、そんなに小さくなるんですねえ」と感心する。斜め型社会として考えると、教え方は世代によって違ってくる。それを考えながら、教えることが大切だと思っています。



富士通株式会社 代表取締役社長 黒川 博昭

黒川

今の話は面白いですね。今は技術革新が極めて早いので、新しく入社してくる若い人の育て方が大きな問題になっています。そこでは、いかに早く育てるかが大切なのですが、私は「やってみせろ」といっています。



今井

そう、やってみせるのが一番いいのです。団塊の世代は、私たちと若い人たちの間でおどおどしているし、若い世代はプライドだけがあるので、下手に教えると反発を食らってしまいます。だから、黙って「やってみせる」のがいいと思います。




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