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黒川
プロジェクトは分担を決めてやるし、楽な仕事ではないので、一人ひとりのモチベーションや喜びをどう保障していくのか、とても難しい面があります。それに比べると登山は、皆登りたいから参加する、そして、全員が頂上に立てるようにするというのはよいですね。私たちのプロジェクトとは大きな違いがあります。
今井
分担する場合には、自分が関わり合う部分についてだけ、コミュニケーションが取れればよいわけです。しかし、横並びでやると、皆が全体像を知っていなければならないので、ミーティングをしょっちゅうやらなければならなくなります。ブラックボックスを作るのはまずいからそうするのですが、とても手間がかかります。


黒川
部分しか知らなければ、喜びも限られてしまいます。最近では1,000人位参加するプロジェクトもありますが、そうしたプロジェクトをやる時には、Webを使ってコミュニケーションして、リアルタイムで全体を共有しようとしているのですが、これがなかなか難しいですね。
今井
時には手や足が出たこともありますが、コミュニケーションすることで、この人は気が強いとか、弱いとか、相手の性格が分かってきます。そうすると、実際の山登りの現場で、強気の人ががんがん行こうと言っている時には、今日はこの位にしておこうというなど、お互いを見据えることができるようになります。ただ、一緒にやっていた仲間達は私のやり方を見てたせいか、大きな会社の社長にはなれなかった。「鶏口となるも、牛後となるなかれ」で、自分の目の届く範囲でやれる規模の企業の社長がほとんどです。
黒川
私はずっとシステムエンジニアをやってきて、プロジェクトしか知らず、複数プロジェクトのマネジメントはできませんでした。突然社長になった時にも、プロジェクトのやり方しかわからなかった。それで、目標と時間を決めて、一人ひとりのモラルを上げて、目標をどの程度達成したかを常に測るというやり方でやってきました。ところが、それは1年くらいであれば、うまく行くのですが、会社全体を持続していくのは、プロジェクトのやり方だけではうまくいかないと悟りました。
学生時代、仲間と。
前列左から2番目が黒川社長。
全体を共有するコミュニケーションが メンバーの喜びを保障する
木を切るところから始め 動植物の命を奪って生きる人間の姿を直視する