
出演:株式会社富士通研究所 ストレージ・インテリジェントシステム研究所 新海 知久
掲載媒体:日本経済新聞
掲載日:2005年12月16日
これが電子ペーパーです。何度も書き直せて半永久的に使える新しい表示装置です。5千年も使われつづけてきた紙に挑戦したのですから大変でした。」と語るのは、富士通研究所の主席研究員、新海知久。
その薄さは0.8ミリ。自由に曲げられるなど紙のように扱いやすい特長をもった、電子ペーパー。表示装置へ情報を表示しつづけるには通常、電源が必要ですが、これは電源なしでも情報が消えず、鮮明なカラー表示を維持できます。そしてほんのわずかな電力だけで書き換えることができる、まさに世界初の技術です。
「いろんな電子ペーパーの方式や商品が発表される中で、その名前にふさわしいものがまだない、と思っていました。私は"紙よりもっと便利なものをつくる"という目標を立てたのですが、結果的にはそのハードルの高さが、開発スタッフのたくさんの技術的アイデアを引き出しました。開発者にとって、オリジナリティーの塊のような幸せな仕事でしたよ。」
応用が期待される分野はさまざまです。例えばこれまで数日で貼り替えられていた電車内広告。掲載期限になってもこのカラー電子ペーパーなら画面の更新だけで済み、ペーパーレスでコストも抑えられます。また毎日読まれる新聞や会議資料などのオフィス文書、陳列商品の入れ替えや金額変更が多いお店の棚札などに使えば、暮らしの身近なところで紙の節約ができます。しかも電力にほとんど頼らずに実現できるのです。
富士通の研究開発は、環境重視。環境と上手に共生しながら、暮らしをもっと便利にする商品づくりを進めています。