
出演:独立行政法人情報通信研究機構 北極域国際共同研究グループ 村山泰啓さん
掲載媒体:日本経済新聞
掲載日:2005年3月15日
「北極の空では地球の自然現象が際立って現れます。美しいオーロラもその周りでは台風並みの熱風が吹いていたり、気候変動の指標とされる色鮮やかな夜光雲が近年よく発生したり。大量の一酸化炭素ガスの塊がシベリアや東アジアから流れ込んでくる様子も観測できます。これらの現象は温暖化の兆候や原因かもしれません。その解明のために北極観測を続けています。」と語るのは情報通信研究機構のアラスカプロジェクトを率いる村山泰啓さん。同研究機構は、北極の大気組成、気温、風速などのデータを集めるため、アラスカ州ポーカーフラットの上空10~100kmを10種類の装置で計測しています。人を現地に駐在させることなく、日本からの遠隔操作で常時監視。富士通は同研究機構とともに最先端ITとリモートセンシング技術を融合。北極域環境情報システム「SALMON」を5年前に世界で初めて稼動させました。
収集した膨大なデータは高速インターネット回線で日本へ即時伝送され、自動解析後、世界中で地球環境計測を行う他の研究者にもWeb上で公開、共有されています。「私たちのプロジェクトは、とてつもなく大きな地球を網の目のように見つめる国際観測網の中の一点です。しかしそれは未来の地球の姿が描かれたパズルを完成させるのに欠かせない重要な一点なのです。」
地球の未来を知るには、地球上で起こる現象をさまざまな視点から計測し、精密なデータを採り続けることが不可欠です。富士通の技術は、北極以外にも沖縄の亜熱帯環境観測システムにも応用され、地球を見つめるネットワークを支えています。未来の世代にこの美しい地球環境を残していくため、これからも富士通は地球環境観測分野にITで貢献していきます。
北極で計測された10種類のデータを自動解析、可視化した「SALMON」のマルチディスプレイ。